
〜介護業界の2025年問題、「精神的・肉体的な業務負荷軽減」「働きやすい労働環境整備」が急務〜
介護事業所向けに医療ソリューションを提供するドクターメイト株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役・医師 青柳 直樹、以下ドクターメイト)は、現役の介護職員を対象にした調査を実施しました。この調査結果から、介護職員の業界に対する内情、実態が明らかになりました。
この調査結果について、ドクターメイトの代表・現役医師である青柳直樹は「介護業界では人口減少に伴う人材不足が深刻化しており、離職防止が急務です。処遇改善等の金銭的対策に加え、働きやすい環境や良好な人間関係の構築が重要になっています。入居者のケアはもちろんのこと、介護士の労働環境にも配慮できる施設が、今後生き残っていくと思います。」とコメントしました。
調査の背景
団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になる2025年問題では、介護業界のみならず、あらゆる業界で労働力不足が課題です。また介護職員の数は、介護保険制度の創設以来初めて減少(※1)しました。介護施設における人材の離職は、採用コストの増加に繋がるため大きな経営課題となります。
そこで当社では、介護施設に勤務する現役の介護職員100人を対象に、これまでの退職の有無や理由、次の転職先に介護施設を選ぶか等について調査しました。
※1 厚生労働省 令和6年12月25日発表資料「介護職員数の推移の更新(令和5年分)について」より
調査サマリー
調査した結果、最も多い退職理由が「人間関係」でありながら、転職理由では、「給与等の待遇面」や「業務の肉体的・精神的負担」が多くを占めています。また、介護の人材不足の打開策として半数以上が「給与等の待遇面」を挙げていることから、「給与等の賃金・待遇面」と「精神的・肉体的業務負担」が見合っていないことで、職場内のコミュニケーション不全が起こり、「人間関係が不満材料」になっていることが推測されます。
UAゼンセン日本介護クラフトユニオン(NCCU)の調査(※2)では、介護職員と全産業平均との格差は拡大しており、「給与等の賃金・待遇面」においての不満は早期に解消されるのは難しい状況です。そのため、もう一方の原因である「精神的・肉体的業務負担」を減らすことが急務となりそうです。
「精神的・肉体的業務負担」を減らすためには
①介護ロボットやICT、業務のアウトソースなどを活用した業務負荷の軽減
②夜勤やライフイベントに沿った休みなどの働きやすい環境整備
この2点を重点的に取り組むことが「すぐに取り組める」離職防止、定着率向上施策と言えます。
※2 UAゼンセン日本介護クラフトユニオン(NCCU)「2024年賃金実態調査」より
調査トピック
- 退職理由は「職場での人間関係(上司・部下)」を最も多く挙げています。
- 次の転職先に67%は「介護施設を選ぶ」と回答し、33%は「介護施設を選ばない」と回答しました。
- 介護施設を選ばない理由は「給与等の待遇面」「精神的・肉体的負担」が多いです。しかし「人間関係」を挙げる声は多くありませんでした。
- 介護職員の減少について訪ねると「待遇改善」「給与アップ」「人員の確保」などの対策を求める声が多いです。
調査概要
調査期間:2025年1月27日~1月30日
調査方法:インターネット調査
調査対象:介護施設に勤める現役の介護職員(20〜70代以上の男女)
調査人数:100名
調査対象の基本属性
男女は約半分ずつの割合でした。年代別では、40〜50代の割合が多く、また70代以上もいらっしゃいました。

Q1.これまでに介護施設・老人ホームなどの高齢者施設を退職されたご経験はありますか?
介護施設の退職経験がある人は、約半分の結果になりました。

Q2.あなたが主な退職された理由を教えてください(複数回答)
最も回答が多かった退職理由は「職場での人間関係(上司・部下)」で29件、次いで「職場での人間関係(同僚)」が22件、「給料・待遇面」が21件となっています。一方、最も回答が少なかった退職理由は「PCや通信機器などの職場環境」で3件でした。

Q3.次の転職先を考える場合、介護施設を選びますか?
「はい」と答えたのは67%、「いいえ」と答えたのは33%でした。過半数が次も介護施設での勤務を選ぶという意見でした。また、それぞれの回答理由についても質問しました。

Q3-1.「はい」と選択した人へ、その理由を教えてください
「はい」と選択した人にその理由を訪ねると、仕事のやりがいや自身の年齢を考慮しての給与の良さ、経験やスキルを活用できるなどの意見があがってます。

Q3-2.「いいえ」と選択した人へ、その理由を教えてください
「いいえ」を選択した人の理由では、給与等の待遇面や業務の肉体的・精神的負担が上がっています。

Q4.介護保険制度の創設以来、初めて介護職員が減少したことについての意見(抜粋)
介護保険制度が創設以来、初めて介護職員が減少(※1)したことについて意見を尋ねると、回答者の多くは、給料が安い、仕事がきつい、人員不足などの理由から、介護職員が減少していると考えています。また、待遇改善や給与アップ、人員の確保などの対策を求める声が挙げられていました。
※1 厚生労働省「介護職員数の推移の更新(令和5年分)について」より

・ドクターメイト株式会社について
【会社概要】
会社名 : ドクターメイト株式会社
代表者名 : 青柳 直樹
資本金 : 9,000万円
本社所在地 : 東京都中央区東日本橋三丁目7番19号東日本橋ロータリービル9階
公式サイト : https://doctormate.co.jp/
ドクターメイト株式会社は、オンラインでの日中医療相談や夜間オンコール代行™などを介護施設(特養、老健、介護付有料老人ホーム、認知症型グループホーム等)スタッフ専用のサービスとして提供しております。
2017年12月の創業から導入施設も増え、現在は国内40都道府県以上、1000を超える介護施設に導入がされています。2022年12月には介護職向け医療教育サービス「Dスタ(DM-study)」をリリース。2024年8月には認知症ケアに対するオンライン精神科相談サービス、さらに皮膚科オンライン診療をリリースしました。
<表彰歴>
CHIBAビジコン2019「ちば起業家大賞」(2020)
内閣府地方創生SDGs「官民連携優良事例」(2023)
週刊東洋経済「すごいベンチャー100」選出(2024)
日経クロストレンド「未来の市場をつくる100社【2025年版】」選出(2024)
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