
ドクターメイトのサービスをご活用頂いている施設の中から、導入前の課題と導入後の効果をうかがうインタビューコンテンツ。今回は、福岡県福岡市の島にある特別養護老人ホーム『特別養護老人ホーム 能古清和園』の施設長である伍藤様に、離島での夜間オンコール代行™の活用方法を中心に、DMスタディ、精神科療養指導の利用についても伺いました。(取材協力:施設長 伍藤様)
- 課題
- 看護師2名にオンコール当番が集中していた
- 集合研修に参加できない職員への周知が難しかった
- 認知症の症状に応じた対応に迷う場面があった
- 効果
- 看護師への電話が減り、夜間の不安も軽減
- DMスタディで、職員が都合のよい時間に法定研修を受けられるように
- 精神科医の助言を、日々の認知症ケアと嘱託医との連携に活用


看護師がすぐに駆けつけられず、救急搬送時は海を渡る必要があるーー。離島の介護施設では、夜間対応に特有の難しさがあります。「能古清和園」では、夜間オンコール代行を活用し、看護師に集中していた夜間対応の負担を見直しています。電話での相談と、島内・本土側での救急搬送対応をどう組み合わせているのでしょうか。
<導入前の課題|夜間オンコール代行™>
離島の夜間体制を見直す。看護師2名で支える15回ずつのオンコール
ー夜間オンコール代行™の導入に至った経緯を教えてください
導入前は、オンコールを担当できる看護師が2名しかおらず、1人毎月15日ずつ担当していました。看護師にも用事がありますから、対応できないときには、もう1人の看護師にお願いする必要がありました。オンコールの負担は、ものすごく大きかったですね。
また、能古島では通常のフェリーも夜中は止まっているので、渡ってきてご利用者の様子を見ることができません。看護師は夜は島内にいないので、介護職員からバイタルや利用者の様子を電話で聞き、救急搬送が必要かどうかを判断するのですが、実際にその場を見ているわけではありません。結果的に救急搬送しなくてもよかったケースもありました。
そのような状況が続く中でドクターメイトの話があり、「夜間の相談をお願いできれば、看護師がずっとオンコールを担わなくてもよくなるのではないか」と考えたんです。

ー夜間のフェリーがないとのことですが、救急搬送時の対応を教えてください
救急搬送時には、消防の救急艇に渡船場まで迎えに来てもらうことが多いですね。
夜は市営の渡船があるので、救急搬送が夜間に発生しても、救急車に合わせて船を動かすこともできます。ですがそれだと救急車を迎えに行くまでに時間がかかり、利用者さまの症状が悪化することもあるので、消防の救急艇に渡船場まで迎えに来てもらっています。
ー導入前に、職員のみなさんから不安の声はありましたか
「利用者に直接関わっていない相手に、判断できるのだろうか」という声がよく出ていました。状況を説明しても分からないのではないか、電話しても結局は施設の看護師へかけ直すことになるのではないか。その辺りが心配だったようです。
ですが実際に電話をかけてみたことで、その不安はなくなっていきました。
<導入後の効果|夜間オンコール代行™>
的確なアドバイスで、夜勤スタッフの不安が軽減
ー実際に利用してみて、いかがでしたか
電話をすると、バイタルや既往歴、顔色など、いろいろなことを問いかけてくれます。職員が答えると、「姿勢はこのようにして、30分後くらいにもう一度連絡してください」といった具体的な案内があります。職員も的確に対応してもらえていると感じているので、最初のような不安はなくなったみたいですね。
夜勤中は、ほかの介護職員にも相談しながら、職員同士で助け合って対応しています。ドクターメイトへの相談も含めて、夜勤の不安はだいぶ軽減されたのではないかと思います。
看護師への電話が減り、介護職員の対応にも変化

ー看護師への電話は、導入前後で変わりましたか?
看護師への電話はかなり減っていると思います。数値として集計しているわけではありませんが、以前は1ヶ月の間でほぼ毎日かかっていたのではないでしょうか。今は月に5回あるかないかくらいだと思います。連絡の内容も、その日に対応した看護師に聞かなければ分からない内容(胃ろうなど)が多いです。
当施設には年配の看護師が多く、夜間オンコールを担えない方が圧倒的でした。現在はそうした方が多くても問題なく運営できるため、オンコールを希望しない求職者の方がいても、「オンコールはありませんよ」と言えるので、採用にもつながっていると感じています。
ー介護職員の皆さんには、どのような変化がありましたか?
観察する点や姿勢の取り方などが、介護の質の向上につながっているのではないかと思います。外国人職員も、電話相談を問題なく利用しています。
救急搬送は「島内の送迎」と「本土側の病院対応」で分担
ー現在は、救急搬送が必要になった場合、どのように対応していますか
まず救急搬送が必要になった場合は、施設から島の渡船場までは、施設の車で利用者を送ります。渡船場では消防の救急艇が待機しているため、職員は救急車には乗らず、島を渡ります。本土ではオンコール当番の職員がいるので、本土側の姪浜の渡船場で待つか、病院へ直接行って利用者を待ちます。
病院対応は、看護師だけでなく、介護スタッフや事務所の職員も担当しています。私も対応します。現在、救急対応で病院へ行く看護師は1名で、ほかの職種と当番を回しています。
手順に慣れるまでは大変だったようですが、今は比較的スムーズに送れています。

<導入後の効果|DMスタディ>
集合研修に参加できない職員へ、DMスタディで学ぶ機会を
ーDMスタディを導入した背景を教えてください
以前は月1回、定期的に集合研修を行い、法定研修もその中に入れていました。ただ、夜勤の職員や、その日が休みで用事がある職員などは参加ができません。監査でも、参加していない職員へどのように周知しているかを何度か聞かれました。集合研修だけでは難しいと感じ、Zoomなどでの配信も試しましたが、その時間に見なければならないので、やはり難しさがありました。
DMスタディなら、自分の都合のよい時間に受講できます。 職員全体に法定研修を届けられる点がよいと思い、導入しました。
ー現在の運用と、感じている変化を教えてください
毎月、受講状況を確認しています。動画研修を受けていない職員が何人かいるので、受けるように毎月周知しています。虐待や身体拘束、事故、感染などについて、職員の知識は向上してきたと感じていますね。
導入後の監査はまだ受けていませんが、研修を受けられる機会をつくれたことは助かっています。
<導入後の効果|オンライン精神科医療養指導>
精神科の助言を、多職種と既存の医師につなぐ
ー精神科医療養指導では、どのようなことを相談していますか
認知症の症状が普段と違うときや、症状が強くなって職員の対応が難しい場合などに相談しています。誰について相談するかは、認知症の委員会で話し合って決めています。
療養指導には、担当の介護職員、看護師、ケアマネージャーが参加します。私も参加できるときは一緒に入り、必要な場合は相談員も参加します。
薬について助言をいただいた場合は、往診の内科の先生へ伝え、追加や変更につなげています。
家族の協力が必要な場合は、相談員に対応してもらいます。例えば、食事が進まない方について、ご家族に好きなものを差し入れてもらうとよいかもしれない、といった案をいただくこともあります。
薬を求めるだけでなく、本人への対応を大切にする方向へ
ー精神科医の助言によって、日々のケアはどう変わりましたか
当施設では認知症ケアを得意分野としていますが、精神科の先生のコメントを聞きながら、できるだけ本人に付き添って対応する職員が増えてきたと思います。
以前は、限られた時間で仕事をする中で、「ちょっと待ってください」ということも結構ありました。先生から、帰宅願望のある方と外へ出てバス停で待つと、少し落ち着くことがあるといった助言をいただき、少しずつ対応が変わってきました。
夜に眠れない方に対しても、薬を出してほしいと考えるだけでなく、まず本人への対応を大切にする方向へ舵を切っています。
寄り添うことで、職員のストレスがたまる面もあると思います。ただ、療養指導が入る前と比べて、職員の意識は徐々に変わってきていますね。
精神科の先生には、認知症の症状や日常の対応方法についての研修もしてもらっています。専門家から具体的に教えてもらえるので、役立っています。
<さいごに>
夜間の不安が減り、看護師にお願いしていた負担も見直せた

ードクターメイトを利用して、全体としてどのように感じていますか
介護スタッフも私自身も、夜間の不安がだいぶ軽減されたと思っています。これまで看護師の「気持ち」にお願いしていたオンコールの負担を見直せたことも含め、本当に助かっています。
離島にある当施設では、看護師がすぐに駆けつけられません。こうした環境では、ドクターメイトの手助けは本当に必要だと感じています。市内ですぐに看護師が駆けつけられる施設では、当施設ほど必要性が高いかは分かりません。ただ、夜間の駆けつけ負担が減れば、看護師も気持ちの面で楽になるのではないかと思います。



