
ドクターメイトのサービスをご活用いただいている施設の中から、導入前の課題と導入後の効果をうかがうインタビューコンテンツ。愛知県豊川市の「特別養護老人ホーム ジャルダン・リラ」で、オンライン精神科医療養指導の導入によって何が変わったのか、お話をうかがいました。(取材協力:施設長 根崎様、看護長 森山様)
- 課題
- 精神科領域の相談は外部受診を進められることが多く、薬について相談しにくかった
- 外部受診は入居者さまの外出と職員の付き添いで、負担が大きかった
- 薬の調整やケアの方針について、精神科医の専門的な助言を求めていた
- 効果
- 精神科への外部受診がほぼゼロになった
- 薬の調整などを通じて、症状の改善が見られた入居者さまが複数名いた
- 精神科医の言葉が、職員のケアの自信につながった

<導入前の課題>
「精神科を受診してください」と言われることが増えた
ー療養指導を導入する前は、どのようなことに困っていましたか?
◆森山様(看護長):令和六年10月から、長年のお願いしていた嘱託医が変わることになりました。現在の嘱託医の先生は、精神科がご専門ではなく、精神科のお薬は取り扱えないということで、「精神科を受診してください」と言われることがあり、外部の精神科を受診するケースが増えていきました。
外部受診となると、入居者さまを施設の外へお連れし、職員が付き添う必要があります。施設としても時間を取られますし、受診後の経過観察の場面で、減薬や服用調整の判断を看護師にゆだねられる事もあり、精神的負担となっていました。
入居者さまを外へお連れせず、精神科医に相談・処方につなげられる
ードクターメイトを知ったきっかけと、導入の決め手を教えてください
◆根崎様(施設長):ドクターメイトを知ったきっかけは、もともと夜間オンコール代行™の検討でした。その後、当初は相談のみだった精神科の療養指導の存在を知りました。
しばらくして、オンライン診療による処方にも対応できるようになったと聞き、「処方までしてもらえるのであれば」と改めて検討しました。
◆森山様(看護長):入居者さまを外へお連れしなくても、施設にいながら精神科医へ相談でき、必要に応じて診療や処方までつなげられる。その点が現場としてありがたいポイントでした。そこが決め手となり、「まずは一度試してみましょうか」ということになりました。
薬の調整にも専門的な助言を求めていた
ー認知症や精神症状への対応は、施設内でどのように検討していましたか?
◆森山様(看護長):当施設では、以前から入居者さま一人ひとりについて職員同士で話し合ってきました。カンファレンスを開き、「この対応を試してみよう」と話し合い、実施後に振り返る。また、認知症の研修でも、症状だけを切り取るのではなく、『その人自身を理解する』ことを大切にしています。
そのうえで、精神科医の視点から別の角度のアドバイスがほしいという思いがありました。
特に薬については、減らした方がよいのか、別の薬を検討した方がよいのかを、施設側だけで判断することに難しさを感じていました。
本格的な導入にあたり、現場の職員にも意見を求めたのですが、「ぜひやってみたい」と前向きな声が上がりました。実際に始めてからは、介護職員が気づいた「この方が困っている」という声を看護職員が受け止め、先生への相談につなげる形で進めています。
<導入後の効果>
精神科への外部受診がなくなり、3〜4名の症状改善を実感
ー導入前に感じていた、受診付き添いの負担は変わりましたか?
◆森山様(看護長):精神科に関する外部受診はほぼゼロになりました。施設内で相談し、必要に応じてオンライン診療と処方につなげられるため、職員が精神科受診に付き添うこともなくなりました。薬の調整や減薬によって、状態が改善したように感じられる方も3〜4名ほどいます。攻撃的な言動が少なくなった、大きな声を出すことが減ったといった変化が見られました。
一方で、認知症の進行や活動量の変化もあるため、すべての変化が療養指導だけによるものかを判断するのは難しい部分もあります。
それでも、外部受診をせずに専門家へ相談できる体制ができたことは、大きな変化でした。
職員は自分たちのケアに自信を持てた

ー療養指導に参加した職員のみなさまの反応はいかがですか?
◆根崎様(施設長):療養指導に同席した介護職員が、先生から温かい労いの言葉をいただきました。直接話した職員が、「自分たちのケアは間違っていなかったと思えた」と感じられたことは、とても良かったと思います。
以前は精神科の先生と話す機会はあっても、処方だけで終わることがほとんどでした。今は医師と施設という関係だけではなく、先生が一緒に考えてくださる。その安心感が大きいのだと思います。実際に職員からも、「先生の言葉に救われた」「話を聞いてもらえた」という声が上がっているんですよ。
ー導入を振り返って、どのように感じていますか?
◆森山様(看護長):結果として、良かったです。以前は、この薬を減らした方がよいのか、別の薬を出してもらうべきかを、私たちから先生へ提案する場面も多くありました。
今は、外へ行かなくても療養指導を受けられ、必要な薬を処方してもらい、専門的なアドバイスも受けられます。施設だけで判断していた頃と比べると、導入して良かったと感じています。
◆根崎様(施設長):私も良かったと思っています。精神科医定期的療養指導加算の取得が開始できましたし、職員からも、先生に話を聞いてもらえて良かったという声が出ています。
<療養指導の相談内容>
現場の声を拾い上げる組織体制
ー現在は、どのように相談内容を決めていますか?
◆森山様(看護長):介護記録から、「最近言動が変わった」「夜に眠れていない」「転倒が増えた」といった情報を拾っています。また、介護職員から看護職員へ相談が入ることもあります。当施設独自の相談フォーマットも作りました。「具体的な内容」「行っている対応」「相談したい内容」などを介護職員に記入してもらい、それを期限までに看護職員へ提出してもらう流れですね。
ー相談する方の優先順位はどのように考えていますか?
◆森山様(看護長):優先するのは、まず入居者さまの状態を改善・安定させること。その次に、介護職員がケアをしやすくなることです。現在は看護師が中心となり、現場で生まれた小さな気づきや困りごとを、できるだけ拾い上げるようにしています。
一人ひとりを理解し、多職種で支え合うケアの文化
ーここまでしっかり相談できる背景には、どのようなことがあるのでしょうか?
◆根崎様(施設長):看護職員が調整役となり、担当職員を中心に課題を出し合える体制があります。組織として連携できていることは、当施設の強みだと思います。
分かりやすいレポートが、施設と嘱託医の橋渡しに
ー療養指導後のレポートは、どのように活用していますか?
◆森山様(看護長):療養指導の後にいただけるレポートは、丁寧で分かりやすく、助かっています。薬剤に関する専門知識が豊富ではない私たちにも理解しやすく、自分たちの知識向上にも役立っています。
また、嘱託員の先生にご協力をいただく必要があるお薬もあるので、嘱託医の先生へ看護師からレポートを共有しています。このような共有を通して、嘱託医の先生にも少しずつドクターメイトの療養指導を理解していただけるようになりました。レポートを継続して見ていただくことで、「こういう考え方で処方すればよいのですね」と受け入れていただけるようになりました。
◆根崎様(施設長):担当ユニットの職員は療養指導に同席し先生と直接やり取りすることができています。ケアマネジャーや相談員は、専用のポータルサイトから直接閲覧できる形ですね。ご家族様へお電話で状況をご報告する際にも、先生のレポートを参考にしています。
<今後の展望>
多職種が認知症の専門家と話し、共通の目標を持てる場に

ー今後、療養指導をどのように活用していきたいですか?
◆森山様(看護長):認知症の状態は変化していくため、一度安定した後も、同じ入居者さまについて継続して相談することが必要です。中心となる看護師には定着してきましたが、今後は介護職員を含め、施設全体で一体となって活用していきたいですね。
療養指導を施設全体の学びに広げながら、一人ひとりに向き合うケアをこれからも続けていきたいと思います。
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