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介護ロボットの導入に取り組むならば”今でしょ”

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先日、財務大臣の諮問機関「財政制度等審議会(財政審)」財政制度分科会で示された介護関連資料について解説しましたが、そこで一つのキーワードになっていたのは技術革新を用いた介護の効率化です。そうした流れで注目されているのが「介護ロボット」です。そこで今回は最近の介護ロボットに関する公的取り組みについて改めて整理します。

5分野で進むロボット技術の介護利用

厚生労働省は介護ロボットの推進を図るため、経済産業省とともにすでに2012年11月に「ロボット技術の介護利用における重点分野」を策定。2014年2月にはこれを改訂して6分野13項目を重点分野としています。

5分野とは「移乗支援」、「移動支援」、「排泄支援」、「見守り・コミュニケーション」、「入浴支援」、「介護業務支援」です。そして各項目は以下のようになります。

移乗支援:「介助者のパワーアシストを行う装着型機器」「介助者による抱え上げ動作のパワーアシストを行う非装着型機器」

移動支援:「屋内移動や立ち座りを支援する歩行支援機器」「外出時の荷物などを安全に運搬できる歩行支援機器」「外出時の転倒予防や歩行などを補助する装着型移動支援機器」

排泄支援:「排泄物処理が可能な設置位置の調整可能なトイレ」「排泄を予測し、的確なタイミングでトイレへ誘導する機器」「トイレ内での下衣の着脱などの排泄一連動作を支援する機器」

見守り・コミュニケーション:「介護施設で使用するセンサーや外部通信機能を備えた機器プラットフォーム」「在宅介護で使用する転倒検知センサーや外部通信機能を備えた機器プラットフォーム」「高齢者などとのコミュニケーションに用いる生活支援機器」

入浴支援:「浴槽出入り時の動作支援機器」

介護業務支援:「見守り、移動支援、排泄支援をはじめとする介護業務に伴う情報を収集・蓄積し、それを基に高齢者などの必要な支援に活用可能な機器」

さらに加速する介護ロボット開発

こうした行政の方針に基づき、各種事業が行われていますが、介護事業者にとって最も身近なものは「介護ロボットの開発・実証・普及のプラットフォーム事業」と呼ばれるものです。これはコロナ禍が始まった令和2年度にスタートした事業です。

具体的には実際の生活空間を再現し、介護サービス利用者参加の下で新しい技術やサービスの開発を行うなど介護現場のニーズを踏まえた介護ロボットの開発を促進するための機関である「リビングラボ」を中心に介護ロボット開発企業が実施を考えている製品評価・検証を支援する事業です。

現在このリビングラボは東京都と愛知県に各2か所、宮城県、千葉県、岡山県、福岡県に各1か所の合計8か所が全国に設けられ、主に国公立私立の大学や研究機関内に設置されています。

もっとも事業の趣旨を考えると、こうした研究機関だけでは何もできませんから実際の利用者との接点が必要になります。この接点として介護ロボットの導入方法や活用方法に関する介護現場からの相談に対応する「相談窓口」が各地に設置されています。相談窓口は北海道、青森県、岩手県、栃木県、埼玉県、神奈川県、新潟県、富山県、愛知県、大阪府、兵庫県、広島県、徳島県、愛媛県、福岡県、大分県、鹿児島県の17か所です。

相談窓口では介護ロボットの導入方法や活用方法、介護ロボットを活用した介護現場の業務改善方法や導入事例の紹介などの相談に対応するほか、試用介護ロボットの展示体験、貸し出しも行っています。

ちなみに貸し出した介護ロボットに伴う事故やアクシデントは、開発企業と施設側が民間の賠償責任保険などを活用するなどの取り組みをする必要があります。

現状でそれなりに高価な介護ロボットを全面導入に踏み切ることには躊躇する高齢者施設も少なくないでしょう。その意味ではこうした公的窓口を軸に企業から貸与を受けるというのは一つの魅力です。

介護ロボットの導入タイミングはいつが良い?

「介護ロボットで効率化ができても、現在の配置基準では介護報酬上の問題が生じる」と奥手になる場合もあると思います。

ただ、これは介護報酬だけでなく診療報酬にも言えることですが、国は基本的に報酬の有無にかかわらず「これは良い」と思う先進的な取り組みに新たな高点数の報酬を新設するという傾向があります。そしてこの高点数を算定しようと各施設が殺到し始めると、早ければ次期、遅くとも次々期の改定時には算定条件を厳しくしたり、点数を引き下げるという「慣習」があります。

最近では冒頭で触れた財務省の財政制度審議会に限らず、各種の公的な審議会や検討会などで介護領域での革新技術導入を求める内容が盛り込まれています。その意味では介護ロボットの導入に取り組むならば、「もう今でしょ」とも言えます。

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