メモリーケア
calendar_month update

加算取得*×負担軽減を実現!認知症に強い精神科医と進める認知症ケア|特別養護老人ホーム   千葉県 サンクレール谷津

  • 施設種類 特別養護老人ホーム
  • 課題 介護職員の負担軽減日々の認知症ケア看護師の負担軽減

2024年8月にドクターメイトがリリースした、認知症ケアに対する精神科医師オンライン相談サービス『メモリーケア』。今回は千葉県習志野市の特別養護老人ホーム「サンクレール谷津」のみなさまに、導入から約1年後の効果や活用のエッセンスをお話を伺いました。
(取材協力:施設長:指田様、生活相談員:佐藤様、介護支援専門員:小林様、看護師:工藤様)

サンクレール谷津
社会福祉法人 慶美会は、「すべてのお客様に明るく健康で豊かな生活を」目指し、お一人お一人のケアプランにあわせ、介護サービスを提供させていただく老人福祉施設です。

サンクレール谷津様は『メモリーケア』正式リリース前の2024年1月からご利用頂いています。

《メモリーケアとは》
認知症に強い精神科医に、オンラインで相談〜療養指導まで行うことができるサービス

<導入の決め手

認知症ケアのサービスの質が高められることに加え、加算*も取得できる点

ーメモリーケアの導入を決めた理由について教えて下さい

◆指田様:(施設長)
メモリーケアの話を初めて聞いたとき「やらない理由がない」と思いました。
やはり一番の魅力は認知症に強い精神科医に直接相談できることです。誰も正解を持っていない認知症ケアについて、認知症に強い精神科医に直接相談できる機会があるのは非常にありがたいことだと感じました。

また、メモリーケアは精神科定期的療養指導加算*も取得できます。ドクターメイトが医師のアテンドや議事録作成までサポートしてくれるため、会議が多く、多忙な施設職員でも、月2回、1回30分の時間を捻出するだけで、療養指導で加算*が取得できるという点は非常に魅力的です。療養指導前の準備に多少の負担はありますが、それさえクリアできればデメリットはほとんどありません。まさにメリットだらけのサービスだと感じています。

*オンライン療養指導による精神科定期的療養指導加算の算定を認める特養限定(詳細はこちら

<導入前の課題

認知症に強い精神科医不在の現場で、看護師一人に委ねられる”判断と責任”の重圧

ー認知症ケアにおいては、どのような課題を抱えていましたか?

◆指田様:(施設長)
現場では専門的な知見が得られず、職員が判断に迷うことが多々ありました。特に薬の調整や対応方法が合っているのか、自信を持って判断することが難しく、現場スタッフに大きな負担をかけていました。

当施設では法人の副理事長が嘱託医を務めているため、特養の中でも医療体制は比較的整っている方だと思います。嘱託医から見解やアドバイスをもらい、精神科の薬も処方してもらっていましたが、嘱託医の専門外である精神科分野については詳しく聞くことができないことが現場の悩みでした。

◆工藤様:(看護師)
特に薬の調整に関して、判断を一人で担うことが非常に負担でした。嘱託医に相談することは可能でしたが、精神科の専門家に直接相談できる環境がなく、『この薬を減らしても大丈夫だろうか』という疑問に答えを出すまでがとても大変でした。

薬を服薬されているご利用者さまの症状が改善傾向にある場合、減薬を検討することがありますが、うまくいかない場合には現場が混乱することがあります。一般的に薬剤調整は試行錯誤を繰り返しながら進めていきますが、嘱託医と相談しながら行うものの、周囲の期待通りにいかない場合には、現場にいる看護師にフォーカスが当たります。そのため、心理的なプレッシャーは非常に大きいものでした。

看護師として、このような悩みに15年間直面してきましたが、もし認知症に強い精神科医に相談できる環境があれば「気持ち的にもっと楽だっただろうな」と思います。

<メモリーケア浸透に向けて

現場からの反対はなく、ポジティブな印象

ーメモリーケアの導入を伝えられた時、現場の反応はどうでしたか?

◆小林様:(ケアマネ)
カンファレンスでの議論において、認知症に強い精神科医のアドバイスを認知症ケアの向上に役立てられればと思いました。当施設では、ケアプランの短期目標に基づいて6ヶ月ごとにカンファレンスを実施しています。その際、薬剤調整やBPSD(認知症の行動・心理症状)などが頻繁に議題となるため、認知症に強い精神科医に相談できる環境になることには賛成でした。

◆佐藤様:(生活相談員)
生活相談員という立場からは、「ご家族さまへ、このサービスをどのようにご説明し、ご理解をいただけばよいか?」ということが大きな課題でした。お客さまであるご家族さまのご理解をいただけることが、新しいサービス運用の推進力となるからです。

この点について、ドクターメイトの担当者さまは非常に親身に対応してくださいました。ご家族さま向けの案内文や説明資料を全てご用意いただき、生活相談員としての様々な業務と並行しながらもスムーズに導入できる環境を整えてくださったのは、本当に心強かったです。迷いなく『このサービスを続けてゆきましょう!』と全員が前向きになれたのは、こうしたサポートがあったからだと思います。

大したことではないように思えるかもしれませんが、そこの手間を惜しんで、判断が後手に回ることもあるので、こういった細かな部分をサポートしてくれるのはとてもありがたいです。さらに、アテンドまで全て対応していただき、加算*も取得できるという点も非常に魅力的でした。

*オンライン療養指導による精神科定期的療養指導加算の算定を認める特養限定(詳細はこちら

<オンライン療養指導での相談内容

《看護師》薬の組み合わせや調整方法について相談

ー療養指導ではどのような相談をされていますか?

◆工藤様:(看護師)
お薬の効果や副作用についての相談が中心です。例えば『この薬を減らしても大丈夫か?』『新しい薬をどう組み合わせるか?』といった相談が多いです。症状の重いご利用者さまから相談しています。

ご利用者さまによっては、認知症症状にうまく向き合えず、自分の思いがなかなか伝わらないことへの苛立ちなどから、怒る、暴言が出るなどのBPSDが出ます。でもご家族さまが面会に来た時もそういう状態だと、ご家族さまも「やっぱり会いに来ないほうがいいんですかね…」とおっしゃるんです。そのような悲しいことにならないように、お薬の力を借りて少しでも和らいでいただいて、なるべく穏やかにご家族さまと過ごしていただきたい、と思っています。人生の最後のステージというところで、親子の絆を繋ぐことができればと思っており、メモリーケアはそのための取り組みに寄与していると思っています。

《ケアマネ》現場で起きるケアの課題を相談

◆小林様:(ケアマネ)
相談内容は、現場で抱える日常的な課題をそのままオンラインで共有し、短時間で解決策を得ることが中心です。例えば、『ご飯を食べなくなったご利用者さまがいる』『あまり話を聞いてもらえないご利用者さまについてどう接すべきか』など、現場からの課題をまとめて先生に相談することで、その場で的確なアドバイスをもらえます

ここは施設であって病院ではないので、薬に頼る前にまずは介護面の改善を検討し、それでも穏やかでない場合、現場もどう対応していいかわからない場合には、薬のことを相談しています。

<オンライン療養指導を受けた感想

こちらの話を丁寧に聞いてくれて、的確なアドバイスをもらえる

ー療養指導の30分を、職員さまはどう感じていますか?

◆佐藤様:(生活相談員)
30分間という枠で、悩みをしっかり聞いていただき、的確なアドバイスをもらえるので非常に助かっています。すごくいい先生で、とても話しやすく、毎回「話を聞いていただきありがとうございます!」という気持ちになり、満足度が高いです。

認知症に強い精神科医に直接相談でき、現場の判断をサポートしてもらえる安心感

◆工藤様:(看護師)
やはり認知症に強い精神科の先生に相談できる安心感があります。一人で判断しなくていいので、精神的にも楽になりました。先生はとても話しやすい方で、減薬の方法や薬の調整に悩んだときも、後押ししてくれるので助かります。

◆小林様:(ケアマネ)
療養指導は、カンファレンスでの話し合いをもとに進めています。「これはお薬必要だよね」となった場合、「じゃあ次回の療養指導で先生に相談しようか」という流れができています。

また、試した内容はすぐにフィードバックができるので、レスポンスも早いです。嘱託医の先生とも相談しながら調整が進められるので大変助かっています。

過去の記録をまとめてみて改めて感じますが、介護の負担軽減はかなり図れたのではないかなと思います。同じご利用者さまのことも何度も相談させていただきました。その方も今はだいぶ落ち着いて、この件を相談できてすごく助かりました。

<メモリーケア導入後の効果

ご本人の目に見えた変化をご家族さまも実感。施設への信頼感もアップ

ー長期的に見て、どのような変化がありましたか

◆工藤様:(看護師)
ご利用者さまの状態が安定し、お薬の調整もスムーズに行えるようになりました。

薬を処方する際には、ご家族さまに相談し承認を得る必要があります。「薬はなるべく使いたくない」と考えるご家族さまもいるため、信頼関係を築くことから始めるのが重要です。そのため、薬について丁寧に説明を行い、ご理解いただけるよう努めてきました。

現在では、ご本人の様子が改善していく様子をご家族さまも実感できるので、面会にいらした際には「良くなっていますね」「ありがとうございます」といった声をいただくようになりました。このような体験を通して、施設への信頼感も高まっていると感じます。

◆小林様:(ケアマネ)
事前に精神科医へ相談した上でご家族さまにお話できるので、ご家族さまからの理解・協力が得やすくなりましたね。

ご利用者さまの中に、当時は現場も疲弊するほどの不穏がある方がいらっしゃいました。今は精神病院から戻られ、施設で穏やかに過ごせるようになっているのですが、この入院の後押しをしてくれたのはドクターメイトの精神科医の先生でした。ドクターメイトの先生と嘱託医の協力のおかげで、入院を含めた適切な対応ができ、ご家族さまからも感謝の声をいただいています

不穏が減少し、介護職員の負担も大幅軽減

症状が改善したことで、介護現場の負担も大幅に軽減されました。先程の方も含め、同じご利用者さまについて何度も相談させていただきました。現在では状態が安定されていていますが、対応が困難なケースでも繰り返し相談させていただき、とても助かりました。

他には、BPSD(認知症の行動・心理症状)が和らぎ、夜間の徘徊がなくなったり、ご利用者さまのお口が開くようになるなど、目に見える効果があるケースもあります。

加えて対応スピードも早くなっています。夜の不穏により、他の人のエリアにまで移動してしまう方がいると、すぐに介護から連絡が入るので、1ヶ月と続かない程度で対応できるようになっています。

ー数値的な変化はありましたか

不穏症状が減ったため、転倒での救急搬送は少なくなってきている気がします。

月2回!認知症に強い精神科医との療養指導で高まる施設の対応力

◆佐藤様:(生活相談員)
専門家の相談窓口ができたことで、「後押しをしてもらえた」「自分の判断が正しいと確認できた」といった声が多く寄せられています。工藤のような勉強熱心で、自分で判断して動いてくれる看護師にとってはとても心強いと思います。

一方、ご利用者さまの問題行動があると「すぐに精神科を受診する」選択肢しかない施設もあります。そういった施設さんにとっては、1 or 10ではない”間の選択肢”を提供してくれる、施設でできる幅を広げてくれるサービスだと思います。すぐに精神科受診ではなく、療養指導で相談することで施設内での対応力が高まり、柔軟なケアが可能になるのではないでしょうか。

看護師のベーススキルが向上。ご利用者さまの変化をキャッチできるように

ー職員間での変化はありましたか

◆工藤様:(看護師)
この1年で看護師のベーススキルが向上してきたのかなと感じています。
看護師といっても経験はさまざまで、入職当初は分からないことが多い方もいます。そのためメモリーケアを導入してからは、看護師のスキル向上も兼ねて、入職後は療養指導の見学に入ってもらっています。

薬の知識がついてくると、自らご利用者さまの状態を観察し、「工藤さん、この薬は必要ですか?最近、この方が眠りがちなんです」といった意見を出してくれるようになりました。こうした変化を見ると、看護師の成長を実感します。

<今後の展望

介護職員を巻き込み、看護介護の連携と職員全体の成長を目指す!

◆小林様:(ケアマネ)
普段療養指導に参加しているのは、今ここにいる3名なのですが、メモリーケアを活用して、認知症や精神疾患に関わる知識や理解を深めるために、ゆくゆくは介護職員も一緒に、少しずつ参加できる機会をつくっていけるといいな、と思っています。

介護職員は薬の名前や効能について詳しくないことが多く、「なぜこのタイミングで薬を飲ませるのか」を理解していない場合もあります。そのため、介護職員から「夕食後に薬をまとめて飲んでもらってはダメなのか?」という質問を度々受けることがあります。

薬の知識が身につけば行動にも変化が生まれるはずです。介護職員が療養指導に参加することで、看護と介護の連携がさらに強化され、施設全体のケアの質が向上することを期待しています。職員全員が成長できる環境を目指していきたいと考えています。

「メモリーケア」を通じて、質の高いケアとスタッフの成長を同時に実感

ー最後にメモリーケアの導入を検討されている施設様にコメントをいただきたいです。

当施設は「メモリーケア」を導入してから、精神科医療の専門知識を活かした実践的なサポートを通じて、認知症ケアや精神的なサポートが求められる入居者の方々に対し、きめ細やかなケアを実現できるようになりました。導入してからの成果について、大きく3つあると実感しています。

一つ目は、専門性の高いアプローチです。精神科医療の専門知識に基づいたアドバイスや指導により、日常ケアにおける課題の解決や、より効果的なケア方法の提供が可能となりました。
二つ目は、現場スタッフの負担軽減です。専門的な助言を得られることで、スタッフが感じる心理的負担が軽減され、より安心してケアに取り組むことができています。
三つ目は、ご利用者さまとそのご家族さまの安心感向上です。適切な指導を基にした対応がご利用者さまの安定した生活を支え、ご家族さまからも高い評価をいただいています。

私たちの施設では、「メモリーケア」を通じて、質の高いケアとスタッフの成長を同時に実感しています。同じような課題を抱える他施設の皆様にも、ぜひ参考にしていただければと思います。

Download資料ダウンロード

ドクターメイトメモリーケア資料無料ダウンロード

詳しい資料が無料でダウンロードできます。サービスの特徴・成功事例・活用方法・導入メリットなどをご覧いただけます。

資料ダウンロードdownload