独立行政法人福祉医療機構が2022年度（令和4年度）決算に基づく特別養護老人ホーム（従来型・ユニット型）、老人保健施設、認知症高齢者グループホームの経営分析参考指標の概要を公表しました。赤字施設率は特養と老健は悪化した一方、認知症高齢者グループホームでは改善の兆しが見えています。
利用率
事業の定員数に対して、どの程度のサービス利用が行われたかを示す指標で、この値が高いほど施設が有効に活用されていることとなり、収益増加に寄与することになります。
利用率は、従来型特養が 92.7％で前年度より 0.9 ポイント、ユニット型特養が93.3％で前年度より 0.6 ポイント、いずれも低下しました。
また、老健全体での入所利用率は87.7％で前年度より 0.3 ポイント低下。施設類型では、その他の型と療養型が2ポイント超、基本型（加算型）と在宅強化型（超強化型）が1ポイント未満、それぞれ低下した一方で、基本型と在宅強化型はやや上昇しました。
認知症高齢者グループホームは94.7％で前年度より 0.6 ポイント低下しました。
人件費率
サービス活動収益に対する人件費の占める割合を示す指標で、この値が低いほど収益に対する費用の負担は軽くなりますが、良質なサービスを提供する上では適切な値に留めることも重要です。
人件費率は、従来型特養が65.7％、ユニット型特養が62.9％で、ともに前年度より0.2ポイント低下しました。老健全体は62.4％で前年度より 0.7 ポイント上昇し、施設類型ではその他型以外で上昇しています。一方で認知症高齢者グループホームは69.1％で、前年度より 0.4ポイント低下しました。
経費率
サービス活動収益に対する経費の占める割合を示す指標で、この値が低いほど収益に対する費用の負担は軽くなります。ただし、良質なサービスを提供する上では適切な値に留めることも重要です。
経費率は、従来型特養が29.5％、ユニット型特養が25.9％でともに前年度より1.2ポイント上昇しました。
老健全体は 21.6％で、前年度比 1.3 ポイント上昇し、施設類型でも全ての型で上昇しています。認知症高齢者グループホームは 22.7％で前年度より 1.0 ポイント、こちらも上昇しました。
経費のうち、水道光熱費率は従来型特養が6.0％、ユニット型特養が5.4％でともに前年度より 1.1 ポイント、認知症高齢者グループホームが 4.5％で前年度より 0.6 ポイント、いずれも上昇しました。
赤字施設割合
経常増減差額が 0 未満の赤字施設割合は、従来型特養が 48.1％で前年度より 6.1 ポイント、ユニット型特養が 34.5％で前年度より 4.1 ポイント、いずれも上昇しました。老健全体は 41.6％で前年度より7.9 ポイント上昇し、施設類型別もすべての型で上昇しましたが、とりわけその他の型では13.9ポイントと2桁も上昇しました。一方で認知症高齢者グループホームは35.6％で、前年度より 0.4ポイント低下しました。
独立行政法人福祉医療機構
2022年度（令和 4年度）決算特別養護老人ホーム（従来型・ユニット型）の経営分析参考指標の概要について
2022年度（令和 4 年度）決算介護老人保健施設の経営分析参考指標の概要について
2022 年度（令和 4 年度）決算認知症高齢者グループホームの経営分析参考指標の概要について
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ドクターメイト編集部
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