
東京都は11月28日に実施された、東京都認知症施策推進会議(第46回)にて、認知症医療の実態調査の中間まとめを公表しました。この調査は認知症医療の実態について、病院、認知症疾患医療センター、高齢者施設・居宅介護支援事業所、市区町村、当事者・家族に聞いたものです。
BPSDに対する医療的対応の困難さが原因で入院を断るケースも
BPSD(行動・心理症状)が強い認知症患者について、「以前と比べて、入院要請が増えているか」という質問に対し、病院、認知症疾患医療センターの43.6%が「増えている」と回答。そのうち、約2割が「少なくとも1件以上、入院要請を断った」と回答しました。断った主な理由について、約半数が「行動・心理症状に対する医療的な対応が困難」としています。
さらに、脳血管疾患や心疾患、呼吸器疾患、感染症、骨折など身体合併症を有する認知症患者の入院要請についても2割弱が「断った」と回答。その理由も半数弱が「行動・心理症状に対する医療的な対応が困難」としており、BPSD(行動・心理症状)を有する認知症患者が病院で医療対応を受けられないケースがあることがわかりました。




高齢者施設・サービス事業者の37%「入院が円滑に行われていない」
高齢者施設・居宅介護支援事業所対象の調査でも、37.3%で「入院が円滑に行われているとは思わない」と回答。その理由として、約半数が「病院スタッフに認知症のある人の入院に対応できる知識・スキルが不足している」「認知症に対応できる医師や看護師等のスタッフがいない」「認知症があることを理由に入院要請を断る病院がある」と回答しました。




