
ドクターメイトの「オンライン精神科医療養指導」の相談事例をご紹介します。
心不全のために居室のベッド上で過ごす事が多く、気になる事や職員にやってほしい事が発生したら昼夜問わず、頻繁にコールで職員を呼ばれます。職員が対応して一旦納得されても、しばらくすると同様のコールが続くことが多いです。
また、会話が伝わらなかったり、自身が納得できなければ、激怒される事があります。すぐに対応できない場合は、少し待ってほしいと伝えると「分かりました」と返事をしますが、すぐに大きな声を出して職員を呼んだりします。
認知症とは診断されておらず、実際、普段の生活のことはある程度覚えていますが、何度言っても理解してもらえません。ケアでできる対応についてアドバイスをいただきたいです。
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精神科医からのアドバイス
症状が出ている理由として考えられること
年齢や認知症の有無に関わらず、長時間、部屋でじっとしている状況にあると、不安なことやネガティブなことに感情が向きやすくなるため、寂しさ、不安感が大きくなっている可能性が考えられます。
認知機能はある程度保てていても、高齢になって記憶力、理解力や時間感覚などが低下してくると、不安を感じやすくなることがあります。
コールが頻回なのは、寂しさや不安感もあるかもしれませんが、耳から聞く言葉の記憶や理解力が落ちてきているために、職員の言うことをあまり理解できていない可能性も考えられます。
対応について
まず呼ばれる理由が身体症状(息苦しさ・浮腫・夜間頻尿・痛み等)でないかを確認することが重要です。もし身体症状でない場合は下記のような対応も良いでしょう。
身体的に負担のない範囲で、日中帯はできるだけホールで過ごしていただくことで、ご本人の寂しさも紛れるかもしれません。例えば、テレビ見たり、役割を感じられること(タオルをたたむなど)をお願いしてみるのも良いでしょう。
言葉だけで理解してもらいにくい場合、紙やボードを活用しながら、視覚的にも理解してもらえるようにはたらきかけてみると良いでしょう。言葉による理解力が低下している際にも、コミュニケーションがスムーズになることが期待できます。
時間感覚をもってもらうために、視覚的にスケジュールを認識いただくようはたらきかけるのも良いでしょう。
例)・目に入る位置にスケジュールと時計を置く(本人から見えるところにスケジュール表や時間を書いておく)
・「〇〇さんのところには〇時くらいにくるので、何かあったらそのときに教えてください」と、「何かあったら呼ばなきゃ」ではなく、「〇時になったら来てくれる」という意識チェンジを図る言葉がけを試してみる。
特にデジタル時計はアナログ時計と比較すると認知機能が低下していても理解してもらいやすい可能性が高く、書かれているスケジュールとの相乗効果が期待できるかもしれません。
(この記事は、ドクターメイトの「オンライン精神科医療養指導」で行われた相談をもとにドクターメイト編集部で編集したもので、相談ならびに回答は一例となります)
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