
令和6年度(2024年度)介護報酬改定において、介護施設・事業者における認知症ケアの質の向上を評価する新たな区分として「認知症チームケア推進加算」が新設されました。
本加算は、認知症に伴う行動・心理症状(BPSD)の予防や軽減に向け、多職種が連携してチームで計画的にケアを行う取り組みを評価する仕組みです。
目次
認知症チームケア推進加算の概要と単位数
認知症チームケア推進加算は、施設入所者や利用者の認知症症状に対する個別のケア体制を整え、定期的なモニタリングと多職種カンファレンスを実施する事業所を評価する加算です。
評価区分は「加算(I)」と「加算(II)」の2段階に分かれており、配置する専門研修の修了者やチーム体制に応じて算定単位数が異なります。
介護老人福祉施設(特養)、介護老人保健施設(老健)、介護医療院、地域密着型特養 など
介護老人福祉施設(特養)、介護老人保健施設(老健)、介護医療院、地域密着型特養 など
※入所者・利用者全員ではなく、認知症の症状(BPSD)が見られ、計画的なチームケアが必要と判定された対象者に対して算定を行います。
算定要件と施設基準((I)と(II)の違い)
算定を受けるためには、指定された研修の修了者を配置し、組織的なチームケア体制を構築・運用することが求められます。
加算(I)と加算(II)の要件の違い
「認知症介護指導者養成研修」の修了者を事業所内に配置します。
「認知症チームケア推進研修」の修了者で構成される専門チームを設置します。
「認知症介護実践リーダー研修」 または 「認知症介護指導者養成研修」 の修了者を事業所内に配置します。
認知症ケアを推進するための専門チームを設置します。
共通して求められる実施手順
入所者のBPSD(行動・心理症状)の頻度や程度を評価し、 個別のチームケアが必要な対象者を決定します。
関係職種でカンファレンスを行い、 対象者ごとの個別ケア計画(ワークシート)を策定します。
計画に沿ってケアを実践し、 少なくとも月1回以上、効果を評価して計画の見直しにつなげます。
特養の認知症関連加算につきましては、特養の認知症関連加算、算定率は1割未満でも詳しく説明しています。
LIFE提出手順とワークシート記入時の重要ポイント
本加算の算定にあたっては、厚生労働省が運営するLIFE(科学的介護情報システム)へのデータ提出とフィードバックの活用が必須条件となっています。
1. LIFE提出の基本的な流れ
対象利用者のBPSDの状態や、 実施したチームケアの内容・評価結果を整理し、 LIFEの所定様式に沿って入力します。
入力したデータを、 定められた提出期限までにLIFEへ送信します。
LIFEから得られるフィードバックを確認し、 次回のケア計画や支援内容の見直しに活用します。 継続的にPDCAサイクルを回していくことが重要です。
2. 計画書・ワークシート記入時の3つのポイント
LIFEへの入力や実地指導で確認されるワークシート(アセスメント・計画書)を記入する際は、以下のポイントを意識することでケアの質と書類の整合性が高まります。
表面的な症状だけを書くのではなく、本人の生活歴やこれまでの習慣から、 「なぜその行動が起きているのか」まで具体的に整理します。
「優しく対応する」「様子を見る」といった抽象的な表現ではなく、 時間・声かけ・行動などを具体的に記載します。
BPSDが出現してから対応するだけでなく、 症状が起きる前に行う予防的なアプローチも明確にしておきます。
LIFEの仕組みや活用方法については、科学的介護推進体制加算の記事でも詳しく解説しています。
まとめ
認知症チームケア推進加算は、施設全体で認知症ケアの質の向上に取り組み、BPSDの軽減やQOL向上を目指す介護事業所をサポートする制度です。
研修修了者の配置、多職種連携によるカンファレンスの定例化、具体的なワークシート作成とLIFEを活用したPDCAサイクルの推進を進め、要件を満たした体制づくりを整えていきましょう。
出典:東京都福祉局 とうきょう認知症ナビ
