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真菌感染症とは?皮膚に起こる原因・症状・治療や予防を解説

真菌感染症は、カビの一種である真菌が皮膚や爪などに感染して起こる病気です。

水虫や爪白癬など身近なものも多く、高温多湿な環境では感染や悪化のリスクが高まります。

この記事では、真菌感染症の原因や症状、感染経路、治療法、日常生活でできる予防方法について、わかりやすく解説します。

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表在性真菌症とは? 原因とそのメカニズム

真菌感染症(皮膚真菌症)は、病原体が寄生する部位の深さによって「表在性(ひょうざいせい)」と「深在性(しんざいせい)」の2つに大きく分けられます。

このうち日常でよく見られるもののほとんどが、皮膚の表面(角質層)や毛、爪などの浅い部分に真菌が寄生して起こる表在性真菌症です。

原因となる主な真菌(カビ)には、以下の種類があります。

1
表在性真菌症の主な原因菌
白癬菌(はくせんきん)

表在性真菌症の原因として最も頻度が高いカビです。皮膚の表面にある角質層や、タンパク質であるケラチンを栄養源として繁殖します。
足に感染すると「足白癬(水虫)」、爪に感染すると「爪白癬(爪水虫)」、股部では「股部白癬(いんきんたむし)」、体では「体部白癬(ぜにたむし)」と呼ばれます。

カンジダ菌

人の皮膚や粘膜(口の中、消化管、膣など)に普段から存在している常在菌の一種です。通常は問題を起こしませんが、免疫力の低下や長期間の抗菌薬使用、湿潤環境などの条件が重なると異常増殖します。
その結果、「皮膚カンジダ症」「カンジダ性指間炎」などを引き起こすことがあります。

マラセチア菌

皮膚に普段から存在する常在菌で、脂質を好む「脂好性真菌」です。皮脂の分泌が多い胸や背中、頭皮などで過剰に増殖すると症状を引き起こします。
茶色や白っぽい斑点が現れる「でん風(でんぷう)」や、「脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)」の原因となることがあります。

真菌は「高温・多湿」の環境を非常に好みます。そのため、汗をかきやすい夏場や、靴や靴下で足が蒸れやすい環境下で急速に増殖し、感染が成立・悪化するメカニズムになっています。

部位別の代表的な症状と感染経路

表在性真菌症は、発症する部位や原因菌によって現れる症状や感染パターンが異なります。適切な対策をとるためにも、それぞれの特徴を理解しておきましょう。

代表的な症状の特徴

1
足・爪の症状(足白癬・爪白癬)
趾間型(しかんがた)

足の指の間、特に薬指と小指の間の皮膚が白くふやけたり、皮が剥けたりします。
強いかゆみを伴うことがあるのも特徴です。

小水疱型(しょうすいほうがた)

足の裏や土踏まずのあたりに小さな水ぶくれ(水疱)ができます。
水疱が乾くと、その部分の皮が剥けることがあります。

角化型(かくかがた)

足の裏やかかと全体が固く厚くなり、ひび割れが生じます。
かゆみが少ないため、単なる乾燥肌と勘違いされやすいのが特徴です。

爪白癬

爪が白色や黄色に濁り、厚みを増すようになります。
進行すると爪がもろくなり、ボロボロと崩れやすくなります。

2
体や股部の症状(体部白癬・股部白癬・カンジダ症)

太ももの付け根やわきの下、乳房の下など、皮膚同士が触れ合って蒸れやすい部位に赤い発疹やカサカサが広がります。
縁の部分が輪状に少し盛り上がり、外側へ広がるような赤い斑点(ぜにたむし)がみられることも特徴です。

3
でん風(マラセチア感染症)

汗をかきやすい背中や胸元に、淡い褐色または白っぽい小さな斑点が多発します。
かゆみは軽いことが多く、ほとんど感じない場合もあります。

主な感染経路

白癬菌などの感染力は非常に強く、身近な環境から接触感染します。

1
主な感染経路
家族間での共有

白癬菌に感染している人が裸足で歩いたバスマット、スリッパ、畳、絨毯などには、菌を含んだ剥がれ落ちた角質(垢)が付着していることがあります。
それを別の人が踏み、靴の中などの蒸れた環境に長時間置かれることで感染することがあります。

公共施設

温泉、プール、ジムの脱衣所など、不特定多数の人が裸足で利用する場所では、白癬菌が皮膚に付着する機会が増えます。
特に足が濡れたまま、蒸れた状態が続くと感染リスクが高まりやすくなります

予防と治療 日常生活で気をつけるポイント

表在性真菌症は、予防法と治療のポイントさえ正しく理解していれば、恐れる必要のない病気です。日頃の生活で特に意識すべき注意点を整理します。

① 清潔と乾燥を徹底する(予防の基本)

真菌が皮膚に付着してから角質層の中に侵入・定着するまでには、約24時間(皮膚に傷がある場合は12時間程度)かかるとされています。つまり、その前に洗い流せば感染を防ぐことができます。

清潔と乾燥を保つ3つのポイント
1
毎日丁寧に洗う

帰宅後や入浴時に、足の指の間や股部、わきの下などを石鹸でやさしく洗いましょう
強く擦ると皮膚に傷がつき、かえって真菌が侵入しやすくなるため、泡で包み込むように洗うのがポイントです。

2
水分をしっかり拭き取る

入浴後は、足の指の間や皮膚のひだなどに残った水分までタオルで丁寧に拭き取ります。
真菌は湿気を好むため、皮膚をできるだけ乾燥した状態に保つことが大切です。

3
通気性を保つ

毎日同じ靴を履き続けず、何足かをローテーションして靴の中を乾燥させましょう。
綿やウール、5本指ソックスなど、通気性や吸湿性を意識した靴下を選ぶのも効果的です。

ポイント: 真菌対策の基本は、「洗う・乾かす・蒸れを防ぐ」の3つです。

② 共用物の衛生管理

家族に水虫の人がいる場合や公共施設を利用した後は、感染拡大を防ぐ対策が大切です。

感染を広げないための3つの衛生対策
1
バスマットやタオルを共用しない

バスマットやスリッパ、タオルなどはできるだけ個人専用にし、共用を避けましょう
特に家族に水虫などの症状がある場合は、感染拡大を防ぐために衛生管理を徹底することが大切です。

2
部屋をこまめに掃除する

床には、白癬菌を含んだ皮膚の角質(フケや垢)が落ちていることがあります
掃除機をこまめにかけ、床やカーペットなどを清潔な状態に保ちましょう。

3
温泉やプールの利用後は足を清潔にする

公共の温泉やプールなどを利用した後は、足の裏や指の間を洗い流しましょう
すぐに洗えない場合は、ウェットティッシュなどで足をよく拭き、できるだけ清潔な状態を保つことが大切です。

ポイント: 「共用を避ける・こまめに掃除する・外出後に清潔にする」ことが、家庭内での感染拡大予防につながります。

③ 自己判断を避け、早めに皮膚科を受診・治療する

真菌感染症の疑いがある場合、最もやってはいけないのが市販のステロイド外用薬を勝手に塗ることです。

ステロイドは炎症を抑えますが、局所の免疫力を下げるため、真菌が爆発的に増殖して症状が悪化してしまいます。

また、見た目が真菌感染症に似ていても、実際には湿疹や異汗性湿疹(汗疱)、乾癬など別の病気であるケースも少なくありません。

皮膚のかゆみや発疹を引き起こす感染症には、ほかにも疥癬などがあります。疥癬の症状や感染経路についてはこちらで詳しく解説しています。

疥癬とは?人にうつる?症状・感染経路・予防法をわかりやすく解説

皮膚科で「顕微鏡検査(顕微鏡で直接真菌の存在を確認する検査)」を受け、正しい診断のもとで抗真菌薬(塗り薬や飲み薬)を使用することが治癒への一番の近道です。

症状が消えても角質層の奥に菌が残っていることがあるため、医師に指示された期間(足水虫の場合は見た目が治ってから最低1ヶ月以上)は根気強く薬を塗り続けることが再発防止のカギとなります。

表在性真菌症は、身近にあるカビが高温多湿な環境に乗じて増殖することで起こる皮膚疾患です。

まとめ

「清潔と乾燥」を保つこと、そしてバスマットやスリッパなどの衛生管理を心がけることで、感染のリスクを大幅に減らすことができます。

もし皮膚のかゆみや変化に気づいたら、自己判断で市販薬を使わず、早めに皮膚科専門医を受診して正しい検査と治療を受けましょう。

出典:日本皮膚科学会

出典:MSDマニュアル プロフェッショナル版

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