株式会社リクルートの調査研究機関「ジョブズリサーチセンター(JBRC)」が「介護業界就業検討者の意識レポート」を公表しました。
介護業界とその他業界の就業者に対し、就業後の状況が想定通りかどうかを聞いた設問では、「想定以上に給与が上がらなさそう」と介護業界の41.8%が回答した一方、その他業界は53.6%と半数を超えており、「想定よりも給与が低い」「給与が上がらなさそう」と感じたのはその他業界よりも介護業界の就業者の方が少ないことが分かりました。就業後のギャップという観点から見ると、中長期的な賃金の課題は介護業界特有の話ではなさそうです。
また、仕事探し時に介護業界を検討したことがある就業者に対し、仕事探し時に重視した内容を聞き、現在の就業先が介護業界とその他業界の就業者を比較した設問では、就業期間を重視した回答者のうち、「1年以上」、「定年まで」といった長期間の就業を重視していた割合を見ると、その他業界よりも介護業界の方がそれぞれ少なく、特に「1年以上」は約10ポイントの差がありました。いずれの回答者も介護業界未経験者で介護業界の離職経験もない状態でしたが、長期就業希望者にとって介護業界は「続きそうにない」というイメージを持たれてしまっているのかもしれません。 この調査結果について、東京福祉専門学校副学校長の白井孝子さんは「介護施設で働く介護職の給与はここ10年で改善傾向にあります。人材確保の難易度等が都心部の方が高いため、都心部の施設の方が地方よりも改善されているように感じます。一方で、卒業生から聞く不安は給与や体力面などよりも、利用者との時間の使い方や同僚同士のチームワークなどに関する内容が多いです。介護職はチームワークを生かして取り組む仕事なので、ぜひ職場の雰囲気や働き方に関する情報発信を積極的に行っていただきたいですね」とコメントしました。