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【2024障害福祉サービス等報酬改定】改定項目一覧まとめ

2023年12月に開催された第44回障害福祉サービス等報酬改定検討チームにて「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の基本的な方向性」が取りまとめられました。その改定項目についてテーマ別にまとめました。

障害者が希望する地域生活を実現する地域づくり~障害者が希望する地域生活を実現・継続するための支援の充実

基本的な考え方として

・障害者の入所施設や病院からの地域移行を進め、障害者がどの地域においても安心して地域生活を送れるよう、地域生活支援拠点等の整備の推進、グループホームにおける一人暮らし等の希望の実現、支援の実態に応じた適切な評価の実施、障害の重度化や障害者の高齢化などの地域ニーズへの対応等を行う。

・障害者が希望する生活を実現するために重要な役割を担う相談支援について質の向上や提供体制の整備を図るとともに、障害者本人の意思を尊重し、選択の機会を確保するため意思決定支援を推進する。

・特別な支援を必要とする強度行動障害を有する障害者等への支援体制の充実を図る。

が挙げられています。

主な改定項目としては、以下が挙げられています。

(1)地域生活支援拠点等の整備の推進を含めた障害者の地域移行の促進

① 地域移行を推進するための取組 ② 地域生活支援拠点等の機能の充実 ③ 自立生活援助及び地域定着支援の対象者の明確化 ④ 自立生活援助におけるサービス提供体制の推進等

(2)グループホームにおける一人暮らし等の希望の実現、支援の実態に応じた適切な評価

① グループホームから希望する一人暮らし等に向けた支援の充実 ② 支援の実態に応じた報酬の見直し ③ 共同生活援助における支援の質の確保 ④ 個人単位の居宅介護等の利用の特例的取扱い ⑤ 地域の実態を踏まえた事業所指定

(3)障害の重度化や障害者の高齢化など、地域のニーズへの対応

① 通院等介助等の対象要件の見直し ② 熟練従業者による同行支援の見直し ③ 同行援護の特定事業所加算の加算要件の見直し ④ 訪問系サービスの国庫負担基準の見直し

(4)地域における自立した生活を送るための機能訓練・生活訓練の充実

① 社会生活の自立度評価指標(SIM)の活用と報酬上の評価 ② ピアサポートの専門性の評価 ③ 支給決定の更新の弾力化 ④ 自立訓練(機能訓練)におけるリハビリテーション職の配置及び提供主体の拡充 ⑤ リハビリテーション職の配置基準 ⑥ 高次脳機能障害を有する者への支援に対する評価

(5)相談支援の質の向上や提供体制を整備するための方策

① 質の高い相談支援を提供するための充実・強化 ② 医療等の多様なニーズへの対応

(6)強度行動障害を有する障害者等への支援体制の充実

① 強度行動障害を有する児者の受入体制の強化 ② 状態が悪化した強度行動障害を有する児者への集中的支援 ③ 行動援護における短時間の支援の評価 ④ 行動援護の特定事業所加算の加算要件の見直し ⑤ 重度障害者等包括支援における強度行動障害を有する児者などに対する支援

(7)障害者の意思決定支援を推進するための方策

① 意思決定支援の推進 ② 障害児支援におけるこどもの最善の利益の保障

障害者が希望する地域生活を実現する地域づくり~医療と福祉の連携の推進

基本的な考え方として、

・診療報酬、介護報酬と同時改定である機会をとらえ、医療機関と相談支援の連携について、多様なニーズに対応しつつ、さらなる促進を図る。

・医療的ケア児の成人期への移行にも対応した医療的ケアの体制の充実や重度障害者が入院した際のコミュニケーション支援の充実を図る。

が挙げられています。

主な改定項目としては、以下が挙げられています。

(1)医療的ケア児の成人期への移行にも対応した医療的ケアの体制の充実

① 医療的ケアが必要な者等の受入体制の拡充

(2)重度障害者が入院した際のコミュニケーション支援の充実

① 入院中の重度訪問介護利用の対象拡大 ② 入院中の重度訪問介護利用における入院前の医療と障害福祉の連携した支援への評価

(3)障害者支援施設等における医療機関との連携強化・感染症対応力の向上

① 感染症発生時に備えた平時からの対応 ② 新興感染症等の発生時に施設内療養を行う障害者支援施設等への対応について

(4)相談支援と医療との連携のさらなる促進

① 医療等の多様なニーズへの対応

社会の変化等に伴う障害児・障害者のニーズへのきめ細かな対応~障害児に対する専門的で質の高い支援体制の構築

基本的な考え方として、

・児童発達支援センターを中核に、身近な地域でニーズに応じた必要な発達支援が受けられる体制整備を進めるとともに、地域の障害児支援体制の充実を図る。

・適切なアセスメントとこどもの特性を踏まえた総合的な支援・専門的な支援や関係機関との連携強化等を進め、個々の特性や状況に応じた質の高い発達支援の提供を推進する。

・医療的ケア児や重症心身障害児、強度行動障害を有する児をはじめ、より専門的な支援が必要な障害児への支援の充実を図り、障害特性に関わらず地域で安心して暮らし育つことができる環境整備を進める。

・養育支援や預かりニーズへの対応など、保護者・きょうだいへの家族支援を推進し、家族全体のウェルビーイングの向上を図る。

・保育所等への支援を行いながら併行通園や保育所等への移行を推進するなど、インクルージョンの取組を推進し、障害の有無に関わらず全てのこどもが共に育つ環境整備を進める。

・障害児入所支援について、家庭的な養育環境の確保と専門的支援の充実、成人期に向けた移行支援の強化を図り、施設での障害児の育ちと暮らしを支える。

が挙げられています。

主な改定項目としては、以下が挙げられています。

(1)児童発達支援センターの機能強化等による地域の支援体制の充実

① 障害特性に関わらず身近な地域で支援を受けられる体制の整備 ② 児童発達支援センターの機能・運営の強化

(2)質の高い発達支援の提供の推進

① 総合的な支援の推進と特定領域への支援の評価等 ② 関係機関との連携の強化 ③ 将来の自立等に向けた支援の充実

(3)支援ニーズの高い児への支援の充実

① 医療的ケア児・重症心身障害児への支援の充実 ② 強度行動障害を有する児への支援の充実 ③ ケアニーズの高い児への支援の充実 ④ 継続的に学校に通学できない児童(不登校児童)への支援の充実 ⑤ 居宅訪問型児童発達支援の充実

(4)家族支援の充実

① 家族への相談援助等の充実 ② 預かりニーズへの対応

(5)インクルージョンの推進

① 児童発達支援・放課後等デイサービスにおけるインクルージョンに向けた取組の推進 ② 保育所等訪問支援の充実

(6)障害児入所施設における支援の充実

① 地域生活に向けた支援の充実 ② 小規模化等による質の高い支援の提供の推進 ③ 支援ニーズの高い児への支援の充実 ④ 家族支援の充実

(7)障害児相談支援の適切な実施・質の向上や提供体制の整備

① 質の高い相談支援を提供するための充実・強化

社会の変化等に伴う障害児・障害者のニーズへのきめ細かな対応~障害者の多様なニーズに応じた就労の促進

基本的な考え方として、

・障害者の一般就労への移行や就労支援施策は着実に進展している中で、さらに障害者の就労を支援するため、事業の安定的、効率的な実施、生産活動収支や工賃の改善を図る。

・本人の就労ニーズや能力・適性とともに、就労に必要な支援や配慮を整理し、個々の状況に応じた適切な就労につなげる新しい障害福祉サービスである就労選択支援の円滑な実施に向けて対象者等の要件について整備する。

が挙げられています。

主な改定項目としては、以下が挙げられています。

(1)就労移行支援事業の安定的な事業実施

① 就労移行支援事業所の利用定員規模の見直し ② 支援計画会議実施加算の見直し

(2)就労継続支援A型の生産活動収支の改善と効果的な取組の評価

① スコア方式による評価項目の見直し ② 経営改善への取組状況による評価

(3)就労継続支援B型の工賃向上と効果的な取組の評価

① 平均工賃の水準に応じた報酬体系の見直し ② 平均工賃月額の算定方法の見直し

(4)就労定着支援の充実

① スケールメリットを考慮した報酬の設定 ② 定着支援連携促進加算の見直し ③ 支援終了の際の事業所の対応 ④ 実施主体の追加 ⑤ 就労移行支援事業所等との一体的な実施

(5)効率的な就労系障害福祉サービスの実施

① 就労系障害福祉サービスを一時的に利用する際の評価 ② 休職期間中に就労系障害福祉サービス等を利用する際の対応 ③ 就労系障害福祉サービスにおける施設外就労に関する実績報告書の提出義務の廃止等の見直し ④ 基礎的研修開始に伴う対応 ⑤ 施設外支援に関する事務処理の簡素化

(6)新たに創設される就労選択支援の円滑な実施

① 就労選択支援の対象者 ② 実施主体の要件 ③ 従事者の人員配置・要件 ④ 支給決定期間 ⑤ 就労選択支援の報酬体系 ⑥ 特別支援学校における取扱い ⑦ 他機関が実施した同様のアセスメントの取扱い ⑧ 中立性の確保 ⑨ 計画相談事業との連携・役割分担

持続可能で質の高い障害福祉サービス等の実現のための報酬等の見直し

基本的な考え方として、

・物価高騰、賃金上昇、支え手が減少する中での人材確保の必要性、経営の状況等を踏まえ、利用者に必要なサービスを提供できるよう、

処遇改善や現場における業務効率化を図るためのICTの活用等を推進していく。

・サービス提供事業者や自治体の事務・手続き等の負担軽減の観点から、事務簡素化等に取り組む。

・障害者虐待の防止・権利擁護のため、身体拘束適正化の徹底や同性介助の推進を図る。

・障害福祉サービス等の持続可能性の確保の観点から、長期化した経過措置への対応の検討なども含め、メリハリのきいた報酬体系とするとともに、サービスの内容・質に応じた評価や、透明性の向上を図る。

が挙げられています。

主な改定項目としては、以下が挙げられています。

(1)賃金上昇等を踏まえたサービスの安定的な提供のための人材確保策

① 処遇改善加算の一本化 ② 処遇改善加算の対象サービスの追加 ③ 相談支援人材の確保 ④ 人員配置基準における治療との両立支援への配慮

(2)サービス提供事業者や自治体の事務・手続き等の標準化、簡素化、ICTなどの効率化等の方策

① 障害福祉分野における介護ロボットの活用による加算要件の緩和 ② 相談支援におけるICTの活用等 ③ 管理者の兼務範囲の明確化 ④ テレワークの取扱い ⑤ 事業者が提出する各種様式等の簡素化・標準化 ⑥ 介護老人保健施設における医療型短期入所サービスの指定申請事務の負担軽減について ⑦ 生活介護におけるリハビリテーション実施計画の作成期間の見直し

(3)サービス提供の実態やサービス内容・質に応じた評価

① 経営実態調査を踏まえた経営状況やサービスの質に応じた評価を行うための基本報酬の見直し ② 視覚・聴覚言語障害者支援体制加算の取扱い ③ 栄養状態のスクリーニング及び栄養改善の取組の充実 ④ 生活介護におけるサービス提供時間ごとの報酬設定及びサービスの質の評価 ⑤ 情報公表制度について

(4)障害者虐待の防止・権利擁護

① 障害者虐待防止及び身体拘束適正化の徹底 ② 同性介助について

(5)経過措置への対応(食事提供体制加算等)

① 食事提供体制加算の経過措置の取扱い ② 児童発達支援センターにおける食事提供加算の経過措置の取扱い等 ③ 補足給付の基準費用額等について ④ 行動援護のサービス提供責任者等に係る経過措置の延長 ⑤ 居宅介護職員初任者研修課程修了者をサービス提供責任者とする暫定措置の廃止 ⑥ 業務継続に向けた取組の強化 ⑦ 地域区分について

厚生労働省 障害福祉サービス等報酬改定検討チーム「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の基本的な方向性について」

【関連資料】

医療⇔介護 日本の論点2023

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