2024年10月現在、993以上の施設にご利用いただいているドクターメイトの『夜間オンコール代行™』。導入施設の方に、夜間オンコール代行™導入後の効果や活用のエッセンスを伺うインタビューコンテンツです。今回は秋田県秋田市の特別養護老人ホーム「大平荘」施設長の船木様にお話を伺いました。近年ニーズが高まる看取りについての工夫についてもインタビューできたので参考になさってください。
- 大平荘
- 社会福祉法人晃和会は、「共感と協働」を大切にし、すべての人々が手を繋ぎ、安心した暮らしと住みやすい地域づくりをめざしています。心と心が通う、繋がる共感と協働の姿勢を大切に、安心できる良質なサービスを提供し、信頼される福祉事業体を目指し、ひとりひとりを尊重し、優しさと礼節をもって、人間味豊かなケアを行っています。「施設にいても住みなれた地域や家で」そんな願いや思いを私たちは応援します。
<導入前の課題>
看護師採用において常に夜間オンコールがネックに
ー導入前の課題を教えてください
とにかく看護師を採用することが難しかったです。特に秋田県は採用が難しく、ハローワークなどの求人媒体に募集を出すと必ず聞かれるのが「夜間のオンコールはありますか?」でした。大体月8〜10回夜間の拘束がありますと伝えると、採用には結びつきませんでした。私の施設は休みの日数は多い方なのですが、それでは対抗できず、賃金を見直して見てもキリがない。結局賃金を変えても戦えなかったんです。
なにかいい方法はないかと探していると、「夜間オンコール代行」というキーワードにたどり着きました。
検討の末、医師が待機している安心感があるドクターメイトを選んだ
ー導入前は他の代行サービスと迷われていたと聞きました
ドクターメイトより安価で、搬送まで行ってくれるサービスと迷っていました。価格的に見たらそちらのサービスでもよかったのですが、「ドクターが待機している安心感」には勝てませんでした。数多(あまた)あるオンコールの中には、ドクターメイトの看護師だけでは判断し難い状況になることもあるのですが、「一度先生に相談しますね」と医師のアドバイスを仰いでくれるので、とても安心できるんです。
当施設では2交代制で夜勤が長い分、介護職員は特に不安を抱えています。悩んだ末にドクターメイトに決めましたが、導入後「ドクターメイトにしてよかったね」と話しています。毎回ではなくても必要なときに「医師に聞いてみますね」というのがすごく嬉しいと言っていますよ。
ー他に後押しになったポイントはありますか
電話なのでWi-fi不要というのもよかったです。ビデオ動画で相談するタイプのサービスもありますが、当施設の場合はWi-fiの電波が通じづらい少し辺鄙なところにあるので、環境的に電話じゃないと使えなかったんです。
<導入に向けて>
ー導入時、現場の看護師さんの反応はいかがでしたか?
もちろん看護師も介護職員も不安でしかありませんでした。ですが「こういうふうに電話すればいいんだ」というのがマニュアルで理解でき、「小さなことからなんでも電話してもいいよ」と言ってもらえたことで現場が安心しました。
<浸透に向けて>
施設看護師、病院、ドクターメイトの指示は同じだった
ー当時オンコールの外注はかなり珍しかった時期ですが、外部に任せることに不安はありませんでしたか?
不安はあったのですが、コロナが再流行した時期だったためタイミング的に使わざるを得ない状況でした。その時は施設看護師とドクターメイト看護師の両方に連絡していたのですが、回答はどちらもほぼ同じでした。そういったことが1ヶ月ほど続き、段々と看護師の間でも介護職員の間でも「ドクターメイトに任せて大丈夫だよね」という意思統一がなされていきました。
極めつけは、転倒時の対応でした。頭を打った場合は必ず看護師が受診に連れて行っていたのですが、病院側の対応は「24時間様子見て何かあったら連絡して」「今はいっぱいだから連れてこないで」でした。結局帰されてしまい、ドクターメイトのアドバイスと同じく様子見ることに。
ドクターメイトでも施設看護師でも対応は同じ、挙句の果てに病院も同じとなると、「じゃあもうドクターメイトでいいよね。ちゃんと看護師さんを休ませたほうがいいよね」という流れに自然となりました。
<導入の効果>
採用 / 離職問題が劇的に改善
ー導入してみてどうでしたか?
採用問題と離職問題が劇的に改善しました。以前はせっかく入っても1ヶ月で離職されてしまうこともあり参っていましたが、ドクターメイトを入れてからは、夜間に呼ばれることも駆けつけることも少なくなり、看護師さんがしっかり定着しました。
去年は様々な理由から退職者が2名出たのですが、1ヶ月で3名採用できました。紹介会社からも「ここはドクターメイトを導入しているからオンコールもそんなに多くないと思うよ」ということで紹介していただけるようになり、現在は看護師は+1で現場を回すことができてます。
やはり何かあった時には医師にも確認してもらえることが職場全体の安心感につながっています。また介護職員も深夜にも気軽に電話ができるようになったので、介護職員の安心にもつながっています。
「オンコール無し」で採用においては大きく差別化
ー他施設との差別化などにはつながっていますか?
秋田県は特に内製する傾向にあるので、そんな中で「ドクターメイトを使ってるから夜間オンコールは無いよ」と訴求できるのは強いです。
はじめはオンコール有無を懸念する質問をしていたのが「オンコールをお任せしていいんですか?」という話に変わり、「じゃあ、ちょっと働いてみます」っていう形で働きはじめると、実際にオンコールの電話がほぼ無いのを実感し続けてくれるんです。
看護師の駆けつけ、救急搬送が9割減
看護師の駆けつけが大幅に削減されました。以前は何かあれば病院に受診していたので、導入前は病院受診含め救急搬送などによる駆けつけが27件ありましたが、導入後は救急搬送の3件を除き、駆けつけは0件です。ざっくり10分の一になりました。救急搬送は去年1年間で3件なので、オンコールしたうちの3〜5%に留まってます。
慢性的に発生し続けていた人件費が削減できている
ー採用面で数値的な効果はありましたか?
導入前は、時間外手当がとても増えていました。看護師を募集しても来ないので、早出から遅出までやる職員が出てきてしまい時間外の費用がかなり高かったです。さらに受診に行くとなると、抜けた看護師さんの分をカバーするために自分も現場に出て、本来の自分の業務は終わらないので残業でした。
今は救急搬送などの夜の送迎もほぼないので、それに関連する経費はどんどん下がっています。採用すればちゃんと定着してくれるので、人が充足していますし、時間外手当も人材紹介費も必要最低限に抑えられています。
人材紹介費は、離職がなくなっただけでもかなり削減できています。基本紹介費は年収の3割ほどをお支払いするのですが、1ヶ月で離職されることがあっても採用費は発生してしまいます。それでも必要人数には足りていないため採用をやめられない…という状態でした。その状態から脱却できたので、今は紹介費が無駄にならずに済んでいます。
介護職員も確認・報告すべき項目が分かるようになり、スキルアップ
看護師の負担を減らすために導入したオンコール代行ですが、結果的に介護職員の成長にも繋がりました。ドクターメイトとの電話を通じて「この項目を確認すればいいんだ」というのがわかってくるので、特定のルール下で施設看護師に直接連絡するケースがあっても、介護職員が血圧やバイタルなどを事前に測り、その情報を踏まえて相談できるようになりました。
今までは何の情報もないまま「とにかく心配だから確認しに来てほしい」と看護師を呼び出していたのため、看護師は駆けつけて判断せざるを得ませんでいたが、そういう文化が浸透すると、施設看護師でも電話口で対応を判断できるようになりました。
ドクターメイト導入と同時に、看取り体制も強化
当施設では以前から積極的に看取りを行っていましたが、中には終末期の最後で、「やっぱり病院へお願いします」というケースも多くありました。看取りの時期は先生が「そろそろ看取りの時期です」と判断した時から始まるもので、家族にも入所時には看取りについてしっかりとした説明はしていませんでした。家族は看取りの理解がない状態なので「何かあったならじゃあ病院に」となりがちで、搬送による入院、入院による病院での終末が多かったのです。
しかし、今では入所および面会時に、家族に施設内で看取ることを推奨しています。「年齢も85歳を過ぎ、食事の量も減ってきているので、何かあった場合は病院に搬送するのではなく、ここで嘱託医の先生に様子を見てもらいながら最期を迎えませんか?抗生剤の点滴や注射であれば施設内でもできるので」とご家族に説明するようになりました。そのように説明・推奨し続けてきた結果、夜間や日中の受診が大幅に減りましたし、看取りに伴う入院も1年前からゼロです。
今までは「何かあれば入院」だったので、平均20日ほどの入院が月に3名ほど出ていました。そのため空床が多く発生していましたが、今はほぼゼロです。入院は月0日〜7日で、稼働率の数値も96〜97%と高水準をキープしています。
看取り強化で稼働率96〜97%と高水準をキープ
当施設は待機者が少ないので、最期まで施設で過ごしてもらえるよう看取り体制を整えられてよかったです。
ー看取りを円滑にするための工夫があれば教えて下さい。
看取りを進める上で重要なのは、嘱託医の負担軽減です。当施設では80床を1人の嘱託医が担当するため、嘱託医との連絡調整を密に行うことを大切にしています。また、看取り期の面会を多くお願いし、カンファレンスや状況の説明を多くすることで、看取りに対する理解を得られるよう努力しました。また、家族が病院での最期を望むケースも多いですが、施設で看取られる方が良いという選択肢を示すことで、家族の受け入れ方が変わってきました。家族に信頼される施設運営をしていくことが、看取りを円滑に進めるための大きなポイントだと感じています。
《看取り強化に向けて具体的に実施したこと》
1. 嘱託医の看取りに対する負担を増やさないようにする
嘱託医の勤務状況を家族へ説明し、家族へ理解していただく。また、看護師、介護職員、嘱託医との連絡調整を密に行うことで、嘱託医の負担を増やさないよう努めている。
2.家族の理解をしてもらう
入所と同時に看取りについての説明をし、看取りに対する家族の受け止め方を変えてあげる。
最初は「病院に行って最期を」と思っている方にも「病院で同じ部屋の人たちに看取られながら最期を迎えるよりも、施設で最後の一瞬まで家族と一緒にいれる方がいいのではないですか」と都度説明している。
ドクターメイトは働く職員の安心材料
ードクターメイトを魅力に感じて頂けている点を教えてください。
夜勤にしても、看取りにしても、困った時に気軽にドクターメイトに相談できる環境があるので、職員にとって安心材料になっています。看護師の業務軽減になっており、採用や定着に寄与してくれています。
サービス以外のところ含めて色々相談させていただけることも多いので、本当にありがたいです。
業務削減だけでなく、職員に成長、変化をもたらす
ー最後にドクターメイトの導入を検討されている施設様にコメントをいただきたいです。
看護師や介護職員が働きやすくなることによって、色々な変化が起きています。オンコール後のレポートはフェイシスシートに入れているのですが、職員が見てくれるので、ご利用者の理解が進み、どの観点で様子を見るかなどを判断できるようになりました。
また、施設看護師の日中の指示が具体的になりました。どうせ夜間に対応しないといけないという環境ではなくなったので、むしろ「夜間休めるようになるなら先に全部伝えておこう!」という感じで、指示が具体的になることで施設看護師への連絡はさらに減りました。
ドクターメイトはトータル的に施設の職員の負担が軽減できるサービスです。看護師の負担軽減だけではなく、介護職員の精神的な負担軽減も行ってくれます。夜勤者と一緒に経過観察してもらえる安心感、的確なアドバイスをくださる安心感など、様々な安心感を施設職員へ与えてくれます。