2021年度 通所・訪問系5.1%に対し、入所系1.9%
5月11日に開催された財務省「財政制度等審議会・財政制度分科会」において、介護に関する資料として、介護事業の収益の推移と介護事業者の現預金・積立金等の水準が提出されました。
資料では、2021年度の介護サービス全体の収支差率は4.7%で、中小企業の3.3%、中小サービス産業の2.8%を上回っており、財務省は「介護事業者は、直近のコロナ禍で、業態間の多少の異同はあるものの、安定した収益をあげている」と主張しています。しかし、内訳を見てみると、「通所+訪問」が5.1%と高収益を上げる一方、「特養+老健」が1.9%と大きな差が見られています。
財務省はさらに、産業界全体、とりわけ中小企業や中小サービス業がコロナ前から年ごとに収益が変動する一方、介護事業の収益は安定した伸びを示していることや、主に介護事業を運営する社会福祉法人においては、平均して費用の6か月分前後の現預金・積立金等を保有しており、直近まで毎年、現 預金・積立金等の額も増加していることを挙げており、今後の予算審議や2024年に迫った介護報酬改定に影響を与えそうです。
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