folder_open 介護施設経営・運営調査・レポート calendar_month update

2024年度決算分析 特養の赤字施設割合 広域型42.2% 地域密着型42.9% 小規模特養49.2%

公益社団法人 全国老人福祉施設協議会が実施した令和7年度の小規模特養の経営状況等に関する調査研究事業の報告書で、「広域型特養」「地域密着型特養」「小規模特養」それぞれの特養における2023年度決算と2024年度決算を比較分析した結果、小規模特養や地域密着型特養で経営が極めて厳しい状況にあることが分かりました。調査は2025年8〜9月にかけて実施され、1027施設の特養(うち、小規模特養275施設、地域密着型特養352施設、広域型特養400施設)から回答を得ています。

赤字施設の割合について、2023年度決算と2024年度決算を特養の規模別に比較したところ、広域型特養では2024年度は前年度よりも2.1ポイント赤字施設割合が減少した一方で、地域密着型特養は1.8ポイント増加。小規模特養では前年度よりは減少したものの約半数の施設が赤字になるなど厳しい結果となりました。

公益社団法人 全国老人福祉施設協議会「令和7年度⽼⼈保健事業推進費等補助⾦ ⽼⼈保健健康増進等事業 小規模特養の経営状況等に関する調査研究事業」より

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23-24決算比較 人件費減少も事業費・事務費が増加

全体の傾向として、「利用率」には大きな変化は見られず維持していますが、令和6年度介護報酬改定の影響で「サービス活動収益」が維持または増加していることが分かりました。「サービス活動費用」は地域密着型特養で減少しているが、中央値で見るといずれも増加。「サービス活動増減差額」では、小規模特養、地域密着型特養は減少しているが、広域型特養は増加しています。

小規模特養においては、「人件費」が平均値では下がっていますが、中央値では増加。「事業費」「事務費」は、平均値でも中央値でも増加しています。結果として「サービ ス活動費用」が増加し、「サービス活動増減差額」は、2024年度数値で平均値では 355千円の赤字になり、中央値では 45千円の黒字とはなりましたが、「サービス活動収益」に対する割合を示す収支差率はマイナスとなり、極めて厳しい状況と言えます。 

地域密着型特養においては、平均値では「人件費」が減少していますが「事業費」「事務費」ともに増大。平均値では「サービス活動収益」は増大していますが、「サービス活動増減差額」は、平均値で4,415 千円減少、中央値でも 868 千円の減少となっています。 

広域型特養においては、「事業費」が増加、「人件費」「事務費」で減少しています。。「サービス活動増減差額」は、平均値、中央値ともに増加していますが、「サービス活動収益」に対する割合(収支差率)は、1.9%で、小規模特養や地域密着型特養と比較すると良いが、広域型特養単体の評価では厳しい状況と言わざるを得ません。

公益社団法人 全国老人福祉施設協議会「令和7年度⽼⼈保健事業推進費等補助⾦ ⽼⼈保健健康増進等事業 小規模特養の経営状況等に関する調査研究事業」より

施設運営上の「利用者の確保」「経費」における課題

施設運営上の利用者の確保における課題について、いずれのサービス種別も「地域の他施設・他サービスに利用者が流れているため、利用者の確保が困難」が最も多くなっていました。また、「地域に要介護度が高い方がいないため、利用者の確保が困難」と回答した割合については、小規模特養が他の2種別と比較して高くなっていました。

公益社団法人 全国老人福祉施設協議会「令和7年度⽼⼈保健事業推進費等補助⾦ ⽼⼈保健健康増進等事業 小規模特養の経営状況等に関する調査研究事業」より

施設運営上の経費における課題について、いずれのサービス種別も「光熱水費(車両の燃料費も含む)の負担が大きい」が最も多く、次いで「収入に対して人件費の割合が高い」、「給食費や給食に係る業務委託費の負担が大きい」と回答しています。

公益社団法人 全国老人福祉施設協議会「令和7年度⽼⼈保健事業推進費等補助⾦ ⽼⼈保健健康増進等事業 小規模特養の経営状況等に関する調査研究事業」より

公益社団法人 全国老人福祉施設協議会「令和7年度⽼⼈保健事業推進費等補助⾦ ⽼⼈保健健康増進等事業 小規模特養の経営状況等に関する調査研究事業」

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