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ICT導入や情報共有、記録形式でケアにかけられる時間は変わるのか<daily news pickup 5月10日>

実施の有無、要介護度別にケア時間を測定

PwCコンサルティング合同会社はこのほど「高齢者の介護の現状に関する調査事業 報告書」を公開しました。その中で、ICTの活用の有無でケア時間はどう変わるのか、10施設の要介護度別に行った調査結果をご紹介します。調査で比較対象としたICT活用例は、

・介護ロボット・センサーなどの職員負担軽減のためのテクノロジーの活用有無

・インカムなどを使用したタイムリーな情報共有の工夫の実施有無

・記録の電子化などの記録・報告様式の工夫の実施有無

の3点。これについて、要介護度別に比較を行っています。

介護ロボット・センサーなどの職員負担軽減のためのテクノロジーの活用については、要介護3〜5の入所者においては大きな差は見られなかったものの、要介護1と2の入所者において、テクノロジーを活用する施設のケア時間が比較的短くなっている傾向が見られました。これについて報告書では、比較的要介護度が低い入所者へのケアの方がテクノロジーで代替できるケアの割合が大きく、介護ロボットやセンサー等を活用したケア時間短縮への影響が強くなるため、と分析しています。

インカムなどを使用したタイムリーな情報共有の工夫の実施については、どの要介護度においても実施の有無で大きな差異は見られず、情報共有の工夫による生産性向上の傾向は見受けられなかった、としています。

記録の電子化などの記録・報告様式の工夫の実施については、すべての要介護度において、工夫している施設の方がケア時間が長く、特に要介護2~4においてその傾向が強いことが分かりました。報告書ではその要因として、記録・報告の仕方の工夫により、バックヤード業務が効率化され、入所者に対するケア業務により多くの時間を割くことができているほか、電子上に記録を残すことで、各入所者個人に適したケアを時間をかけて行うことができている、と推察しています。

PwCコンサルティング合同会社「高齢者の介護の現状に関する調査事業 報告書」

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