高齢者は温度に対する感覚が弱くなったり、喉の渇きを感じにくくなったりと、熱中症に特に注意が必要です。消防庁によると、2022年5月~9月に熱中症で救急搬送された人は71,029人で、このうち65歳以上の高齢者が占める割合は、54.5%でした。一般財団法人 日本気象協会は、先日、60代以上の高齢者に聞いた「熱中症意識調査」の結果を発表しました。
熱中症に気をつけるとき 80代・90代は『寝るとき』も上位に
熱中症に気をつけるときについて、全ての年代で「天気予報で「真夏日」「猛暑日」と知らせているとき」が1位、「晴天の中外出するとき」が2位となりました。年代別では60代は「スポーツなど運動をするとき」「アウトドアやレジャーに出かけるとき」「野外イベントやスポーツを観戦するとき」も上位となりました。また、80代・90代は「寝るとき」と回答した人の割合が57.7%と高く、年代別では3位となりました。一方、「屋内で作業するとき」と回答した人の割合は全体で16.0%に留まり、屋外と屋内で熱中症に対する意識の差が見られました。
熱中症を防ぐためにやっていること 80代・90代は『窓を開けて風通しを行う』が多数
熱中症の予防や対策として実践していることについては、全ての年代で「こまめに水分を補給する」が8割以上で1位となりました。年代別にみると、60代と70代は「エアコンを利用する」が7割前後で2位に入っていますが、80代・90代では「エアコンを利用する」(53.8%)よりも「窓を開けて室内の風通しをよくする」(73.1%)と回答した人の割合が高く、予防・対策のためのアクションの違いが見受けられました。
熱中症の予防・対策の気がかりは『エアコンによる体の冷え』や『電気代』が上位
熱中症の予防や対策として気がかりなことを聞いたところ、全ての年代で「エアコンを使用すると体が冷えること」が5割前後で1位となりました。そのほか「エアコンや扇風機を使うことで電気代がかかること」や「水分をとりすぎるとトイレが近くなること」も共通して上位となったほか、外出時に水分や日傘、帽子などを持ち歩くと荷物が多くなることや、忘れ物につながりそうという心配の声もありました。また「室内にいるときは窓を開ければ十分だと思うこと」が70代で20.5%、80代・90代で26.9%でした。1位の気がかりとあわせると、エアコンの使用に対して積極的ではない層が一定割合いることが推察できます。
日本気象協会 プレスリリース
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