東京商工リサーチが2024年1〜4月の「老人福祉・介護事業」の倒産調査結果を公表しました。老人福祉・介護事業の倒産は51件で、同期間ではこれまで最多の2020年の43件を大幅に上回っています。サービス別では訪問介護の22件が最も多く、次いで通所・短期入所介護の19件、有料老人ホームの5件と続きました。
同社では倒産が増加した背景として、人手不足に加え、コロナ禍の利用控えや感染防止対策などによるコストの増加。さらには、コロナ関連の資金繰り支援の縮小に物価高が追い打ちをかけた、と分析。このペースで推移すると2024年上半期の介護事業者の倒産は、これまで最多だった2020年の58件を上回ることはほぼ確実な状況、としています。
2024年3月時点の「介護サービス職業従事者(常用、パート含む)」の有効求人倍率は3.70倍となっており、他産業では5%を超える賃上げが相次ぐなか、賃金格差の広がりに歯止めが掛からず、採用の難航や離職が倒産増にもつながっているようです。
東京商工リサーチ「2024年1-4月「老人福祉・介護事業」の倒産調査」
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