
公益財団法人介護労働安定センターが、令和6年度の介護労働実態調査の結果を公表しました。同調査は令和6年10月1日~10月31日に実施され、「事業所における介護労働実態調査」の有効回答は9,044件、「介護労働者の就業実態と就業意識調査」の有効回答数は21,325件となっています。その調査結果から、「採用率・離職率」「事業所の人材不足感」について解説します。

離職率低下も採用率も下がり、増加率は3年振りに縮小
令和6年度の介護職員の離職率は12.8%と2年連続の低下、採用率は14.4%と3年ぶりの低下となり、その差分を表す増減率はプラス1.6%と3年ぶりに低下となりました。年齢階層別では、「29歳以下」が採用率・離職率ともに他の年齢層よりも高い数値となっています。


採用率 = [1年間の採用者数] ÷ (令和 5 年10 月1 日時点の在籍者数) × 100
離職率 = [1年間の離職者数] ÷ (令和 5 年10 月1 日時点の在籍者数) × 100
看護職員の採用率・離職率 他職種よりも高く
訪問介護員・介護職員以外のサービス提供責任者、生活相談員、看護職員、PT・OT・ST等 、介護支援専門員については、看護職員は採用率21.6%、離職率15.9%と、訪問介護員・介護職員含む全職種の中で最も高い結果となりました。

増減率プラスも半数上の事業所が介護職員が「不足」と回答
従業員の過不足状況について、介護職員において増減率がプラス1.6%となっていながらも不足感を感じる事業所は多く、69.1%が「大いに不足」「不足」「やや不足」と回答。看護職員については44.2%の事業所が「大いに不足」「不足」「やや不足」と回答しました。

増減率プラスも採用率の低下で人材不足感はむしろ拡大
処遇改善の取り組みなどで、介護職員の離職率は継続して低下していますが、合わせて採用率も低下しており、人事担当者のマインドとしては「採用が厳しくなった」「採用費用が上がった」などで人材不足感がさらに悪化するという結果となりました。
公益財団法人介護労働安定センター 令和6年度 介護労働実態調査