ドクターメイトにご相談いただいた実際の事例の中から,ご了解を得て紹介しています.
新規のご入居者があり、「尋常性乾癬」との診断がついていました。臀部、腹部、耳の後ろが写真のような状態です。
アンテベート®と白色ワセリンのミックス剤を持参されていますが、日常のケア上の注意点等ありましたらアドバイスいただけると幸いです。よろしくお願いします。
(※写真を5枚送信いただきました.)
尋常性乾癬は原因が完全にわかっていない疾患です。様々な因子が絡んでいて、皮膚で炎症が繰り返し起こる疾患であると理解していただけると良いと思います。
治療はステロイド外用薬やビタミンDの外用薬、点滴などあります。繰り返すものですので、外用薬をしっかりと塗ることが大事ですね!
注意点1「絶対に他の人にはうつらない!!」
尋常性乾癬は見た目が派手であり、そこまで周知された疾患ではないので、うつる病気だと勘違いされることがあります。「かんせん」っていう病名も良くないですよね。特に集団生活をされる場だと気にする人もいると思いますので、これは絶対に人にはうつらない疾患であると伝えて下さい。
注意点2「こすれる場所に皮疹ができやすい!!」
脚、背中、肘、膝、ベルト周りなどこすれる場所に皮疹ができやすいです。特に頭は髪の刺激によって皮疹ができやすい場所であり、洗髪の際には優しく洗ってあげる必要があります。頭の皮疹に対しては液体タイプの外用薬を使用したり、最近では「コムクロシャンプー®」というシャンプータイプの外用薬もありますので、検討してみても良いかもしれないですね。
注意点3「急に悪化することがある!!」
全身の皮膚が真っ赤になって発熱する「紅皮症」、全身の皮膚が赤くなってポツポツと膿疱が出てくる「汎発性膿疱性乾癬」という状態に悪化することがあります。できるだけストレスをかけないようにすることが皮疹を増悪させないコツではありますが、時に予想しないタイミングで悪化することもあるので注意です。この状態になったときには、医療機関で入院をして治療をする必要があります。
この3つに注意していただければだいたい大丈夫だと思います。
他に気になる点はありますでしょうか?遠慮せずにどんどん聞いてくださいね!
約1週間後に経過をご報告いただきました.
アドバイス通りのケアのおかげで、耳の後ろや腹部、外陰部は見違えるようにきれいになりました。
皮疹はきれいになったようで大変良かったです!日々のケアの賜物ですね。
以上、尋常性乾癬のケアについてのご相談でした。ドクターメイトの皮膚科医からのアドバイスがお役に立てて光栄です。
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