1人当たりの夜勤日数増加と非正規職員の登用で乗り切らざるを得ない状況
月間の職員1人当たりの夜勤日数(回数)に法的規制はないものの、看護師等人材確保法に基づく厚生労働省の「看護師確保指針」では、「月8日以内(2交替夜勤換算で4回以内)」という指針があり、これが一つの目安といえます。
今回の調査で分かった職員1人あたりの月間夜勤日数(回数)は、3交替夜勤の施設では平均日数で6.3日、9日以上夜勤に入っている職員は14.4%。最多夜勤日数は老健が19日、特養が10日、介護医療院が12日でした。2交替夜勤では平均回数が4.3回と前述の指針を超え、月間の夜勤4回以上の職員割合は40.0%。最多夜勤回数は特養での14回です。また、この調査では非正規職員の夜勤登用実態についても調査しており、この件での有効回答を寄せた施設のほぼ半数で非正規職員が夜勤に入っています。
これらを併せて考えると、現状では夜間の体制維持のため、職員1人当たりの夜勤日数(回数)増加と非正規職員の登用で乗り切らざるを得ないという状況が浮かびあがっています。
半数の特養で「夜間帯の救急対応あり」と回答
一方、介護施設での夜勤で問題になるのが、利用者の体調急変による救急車要請や医療機関への受診要請といった夜間帯の救急対応です。調査では有効回答を寄せた施設の31%で救急対応があったと回答しています。施設別で救急対応の割合が高かったのは平均要介護度の高い特養が50%、老健が42.2%などです。
その年ごとに業態別の集計数にばらつきがあることなどから過去の調査と単純比較はできないものの、調査概要では「夜勤形態や回数、夜勤体制などの実態については、ほとんど改善せず、厳しい状況が続いていることが明らか」との見解を示しています。
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http://irouren.or.jp/news/f524cbf5956c60b5e34efaf02bb440985c9996eb.pdf/