厚生労働省が第24回社会保障審議会介護給付費分科会介護報酬改定検証・研究委員会にて提示した「文書負担軽減や手続きの効率化による介護現場の業務負担軽減に関する調査」では、ICT活用による業務効率化の事例が紹介されています。
◆通所介護
電子署名ができる介護ソフトを利用し、契約手続きを効率化。契約書の作成・製本作業に1件あたり30分~1時間程度要していたが、電子化により5~10分へと時間短縮。契約書、計画書、面談記録、アセスメント等が電子化され、紙の保存量が300~400枚/月減少した。
◆訪問介護
訪問介護の記録票を電子化することで、訪問実績の確認作業が省力化、紙の保存量が800枚/月減少し、介護職員の入力業務の負担が軽減した。さらに、介護記録、シフトともデータが連動し、経営管理指標を含めて一元管理とした。
◆認知症対応型共同生活介護
ケアをしながら、合間に、インカムを用いて文字入力(音声入力)し、記録業務を効率化。隠語が使えるため、利用者の前で音声入力が可能(「サンカク」といえば「大便」に変換など)となり、導入した事業所では、記録時間が週17時間短縮したほか、体温計・血圧計は近接通信機能(ブルートゥース)で測定結果を自動入力している。