厚労省が今年度に実施した「介護現場でのテクノロジー活用に関する調査研究事業」の速報結果から、特養・老健をはじめ、短期入所療養介護や介護医療院などの「入所・泊まり・居住系」介護施設における、ICT機器の活用実態を解説するシリーズ。2回目は介護ロボットの導入実態と、その導入が採用・経営に与えた影響について。
3割の施設で見守り支援機器を導入
「入所・泊まり・居住系」介護施設における介護ロボットの導入状況について、見守り支援機器においては30.0%の施設で導入していると回答したほか、1割前後の施設で移乗支援機器や入浴支援機器、介護業務支援機器が導入されていたことが分かりました。見守り支援機器導入時に感じられた効果は、「職員の精神的・肉体的負担軽減」「業務の効率化」「ヒヤリハット・介護事故の防止」「ケアの質の向上」が上位に挙げられました。
介護ロボットの導入が採用・離職防止や、ブランド・収益向上に一定の効果
介護ロボット等の安全かつ有効活用するための委員会を設置した施設における、介護ロボット等を導入したことによる施設・事業所全体の変化について、28.2%が「職員確保につながった」と回答(そう思う、かなりそう思う、ややそう思うの合計)、39.4%が「職員の離職防止につながった」と回答、41.4%が「施設・事業所のブランド化につながった」と回答、15.8%が「施設・事業所の収益が改善した」と回答しました。ICTや介護ロボットなどの新しい技術・知見の導入が、職員の負担軽減だけでなく、採用や経営にも良い影響を与えたことが分かります。
厚生労働省 第26回社会保障審議会介護給付費分科会介護報酬改定検証・研究委員会(Web会議)資料「介護現場でのテクノロジー活用に関する調査研究事業(結果概要)(案)」
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