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看護職員不足は高齢者施設だけでなく、病院でも深刻に<daily news pickup 5月18日>

75%の病院「看護職員が不足している」

全国の病院から組織される一般社団法人日本病院会は4月25日、看護師の確保状況に関する緊急調査の最終報告書を公開しました。調査は2023年3月から4月にかけて行われ、563病院から回答を得ています。

看護職員の充足状況について、75%で「不足している」と回答。不足している理由(複数回答)として、「産休・育休、時短勤務者の増加」が最も多く、次いで「退職者の有給休暇取得」、「夜勤勤務があるため」、「給与などの待遇面の問題」と続きました。離職者の離職理由については「結婚・出産等のため」が最も多く、「業務負担」「人間関係」と続きました。

日本病院会「看護師の確保状況に関する緊急調査(最終報告)」より

看護師の確保状況に関する個別意見をテーマごとに記載します。

退職者の増加

・コロナ禍による学生時代の実習経験不足による新人の退職、実務可能者への負担が増加し,疲弊による退職も増加傾向。

・計画通りには採用できているが、退職者が予想よりも多く、人員不足となっている。

・近年は入職し、3年~5年程度の戦力となる層の転職が相次ぎ、体制維持が容易ではない。

紹介会社・派遣の活用によるコスト増加

・紹介会社のみならず派遣を使うことでの、採用に係るコスト増大も大きな問題。

・採用できても夜勤不可ばかりで高額かつ期間限定の応援ナースに頼らざるを得ない状況。

・高額な紹介手数料は経営の圧迫につながるだけでなく、求職活動の妨げにもなっている。

看護補助者の不足

・看護師だけでなく看護補助者の不足も著しい。給与面で福祉施設は補助が出るため条件では勝てず採用が難しい。

・看護補助者を増やしたい為、ホームページ等で募集をしているがほとんど応募がない。

・看護職の採用だけではなく、看護補助者の不足も深刻。入院患者の高齢化、認知症等で看護だけではなく介護も必要となっている状況の中、満足なケアが提供できない。

夜勤不可

・20~30 代で夜勤を実施できる看護師が年々少なくなっている。

・子育てのため、夜勤免除を希望する看護師が増加。夜勤専従は募集しても集まらない。

看護師の処遇改善要望

・待遇の大幅改善や職場環境改善がなければ、今後も急性期病院を希望する看護師等の確保は困難ではないか。 

・看護職員処遇改善評価料算定に付加される施設もあるが全施設看護職員への基本給ベースupが検討されることを引き続き要望していく。

・退職者数の問題だけでなく、全体的に看護師の処遇が更によくなれば応募者も増えるのではないか。

人材育成の困難

・人員不足による業務過多で指導人員が確保できない。

・役職者が育たないので指導力の不足もある
・採用者のうち新人が70人以上のため教育の負担も多くなっている。

その他

・美容整形や訪問看護ステーションへの転職が目立つ。

・看護師の人員は配置基準としては、不足はしていない。しかし、実際の患者の重症度やケア密度を考えると十分とは言えない現状がある。

日本病院会「看護師の確保状況に関する緊急調査(最終報告)」

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【関連資料】

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