介護職員の確保 3月より悪化し、先行きも厳しい見通し
独立行政法人福祉医療機構は2023年6月に実施した、社会福祉法人経営動向調査の結果概要を公表しました。調査は特別養護老人ホームを運営する社会福祉法人を対象に行われ、383法人から回答を得ています。特別養護老人ホームの経営状況について、収支などについては、過去3年の調査でワーストの結果だった2023年3月調査からは改善傾向が見られた一方、介護職員の確保においてはさらに厳しい状況となっています。
サービス活動収益におけるアンケート回答で「”増加”ー”減少”」の値を示すDIは、3月調査から26ポイント上昇し、ー8ポイントとなりました。
サービス活動増減差額におけるアンケート回答で「”増加”ー”減少”」の値を示すDIは、3月調査から23ポイント上昇し、ー19ポイントとなりました。
サービス活動収支(黒字・赤字)におけるアンケート回答で「”黒字”ー”赤字”」の値を示すDIは、3月調査から3ポイント上昇し、ー10ポイントとなりました。
施設全体の従業員数におけるアンケート回答で「”過剰”ー”不足”」の値を示すDIは、3月調査から1ポイント上昇し、ー57ポイントとなりました。
介護職員の確保におけるアンケート回答で「”容易”ー”厳しい”」の値を示すDIは、3月調査から2ポイント低下し、ー85ポイントとなりました。
人件費におけるアンケート回答で「”増加”ー”減少”」の値を示すDIは、3月調査から1ポイント上昇し、47ポイントとなりました。
また、各法人が運営する特別養護老人ホームにおける、経営状況の2021年度~2022年度の比較について、サービス活動収益の実績は、前年度比で増加した施設が15.7%、減少した施設が27.0%となりました。また、サービス活動増減差額は、増加した施設が22.5%、減少した施設が44.8%となりました。
独立行政法人福祉医療機構「社会福祉法人経営動向調査」2023年6月版
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