令和6年度　特養の44.3%、訪問介護の35.1%、訪問看護の38.2％が赤字に～令和6年度の介護事業者経営状況

厚生労働省の社会保障審議会介護給付費分科会介護事業経営調査委員会は、11月26日に開催された第42回の会合において、令和6年度の介護事業者の経営状況を調査した、令和７年度介護事業経営概況調査の結果を公表しました。

収支差率　施設系は良化の一方、居宅サービスは悪化

令和6年度の税引前収支差率（物価高騰対策関連補助金を含まない）について、介護老人福祉施設は1.4%（前年度比　+0.1%）、介護老人保健施設は0.6%（前年度比　＋1.2%）など施設サービスは良化した一方で、訪問介護は9.6%（前年度比　ー1.5%）、訪問看護が10.3%（前年度比　ー1.6%）と居宅サービスは多くで前年度よりも収支差率が減少しました。

赤字・黒字事業所数　全サービス平均では37.5%の事業所で赤字

令和６年度決算における赤字事業所・黒字事業所数の割合については、全サービス平均では37.5%の事業所で赤字となりました。主なサービス別では、介護老人福祉施設は44.3%、介護老人保健施設では49.3%、訪問介護では35.1％、訪問看護では38.2%の事業所が単年での赤字経営となっています。

特養　１施設あたりの人材紹介手数料　年400万超

また、同調査では、令和６年度決算において人材紹介手数料、派遣委託費の費用計上があった施設・事業所の状況についてもまとめられています。

介護老人福祉施設の費用計上があった1施設あたりの人材紹介手数料は年間で440万4000円、1月あたりの派遣委託費は92万2000円となりました。

訪問介護の費用計上があった1施設あたりの人材紹介手数料は年間で102万円、1月あたりの派遣委託費は54万1000円となりました。

訪問看護の費用計上があった1施設あたりの人材紹介手数料は年間で148万8000円、1月あたりの派遣委託費は8万7000円となりました。

厚生労働省　第42回社会保障審議会介護給付費分科会介護事業経営調査委員会資料