夜間時における喀痰吸引の実施体制「吸引ができる人が常にいる」33.9%
特別養護老人ホームにおける夜間の看護体制について、70.4%の施設で「施設の看護職員がオンコールに加え、かけつけ対応をしている」ことが分かりました。ほか「看護職員がオンコールのみで対応している」施設は19.6%、「常に夜勤または宿直の看護職員が対応している」施設は2.6%でした。
これは、株式会社日本総合研究所が実施した「特別養護老人ホームにおける医療ニーズに関する調査研究事業」によるもので、全国の特別養護老人ホーム1,583施設の回答を集計したもの。
夜間時における喀痰吸引の実施体制について、「たんの吸引ができる人がいない場合もある」が最も多く37.9%。「たんの吸引ができる人が常にいる」が33.9%、「たんの吸引ができる人が常にいない」が26.5%でした。また、日勤から夜勤、夜勤から日勤に関わらず、一時的に医療的なニーズが増大した場合の看護体制については、「一時的に看護職員の勤務時間を延長している(現状職員の残業・休日出勤等で対応)」が最も高く64.0%。「医療ニーズの増大によって、看護職員の勤務を調整することはない」と回答した施設は33.4%でした。
特別養護老人ホームに勤務する医療職者の人数は、配置医師が1人未満(常勤換算)の施設が最も多く、医療処置の実施の多くは看護職員が担っていると考えられます。利用者の医療ニーズがさらに高まるなか、看護職員の業務負担をどう分散させて、夜間・日中関わらず、安定した看護を提供できるかが、利用者の安心安全にもつながっていると言えそうです。
株式会社日本総合研究所「特別養護老人ホームにおける医療ニーズに関する調査研究事業 報告書」
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