独立行政法人福祉医療機構は、1月17日、2021年度の社会福祉法人の経営状況等についての分析レポートを公開しました。そのなかから、介護主体の社会福祉法人における経営状況ならびに人材確保の状況について、2回シリーズで解説していきます。
介護報酬改定で増収も人件費やコロナ対策で費用が上昇
介護主体の社会福祉法人の2021年度のサービス活動収益は976,848千円と、前年度より15,508千円増加、割合にして1.6%の増収でした。これは、2021年度の介護報酬改定がプラス0.70%の改定率となり、大部分のサービスで基本報酬単価が引上げられたことが背景にあると考えられます。
一方、サービス活動費用は958,986千円と20,989千円増加、2.2%の上昇となり、増収減益となりました。費用を押し上げた要因として、介護職員の処遇改善に伴う、従事者1人当たり人件費が 4,061千円と33千円上昇したことと、新型コロナウイルスへの対応に伴う衛生用品や消耗品等の購入量増加、あるいは物価高騰などの影響で、経費率が上昇したことが考えられます。
介護主体法人の赤字割合では、2021年度は40.1%と前年度から6.8ポイント拡大。厳しい経営状況下にあることが数字の面からも明らかになりました。
独立行政法人福祉医療機構「2021年度(令和3年度)社会福祉法人の経営状況について」
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