地域区分ごとの平均月収 1級地では290,552円に
日本介護クラフトユニオン(NCCU)は1月26日に「2022年賃金実態調査」で、職種別の賃上げ状況(2021年7月と2022年の7月の賃金比較)、年収、一時金、介護職員処遇改善加算、介護職員等特定処遇改善加算、介護職員処遇改善支援補助金の実態について組合員に調査した結果を公表しました。調査は2022年8月17日~9月26日に行われ、3,277名から回答を得ました。
月給制組合員における2021年1月~12の税込の年収について、全体平均では380.8万円という結果になりました。職種別では、入所系介護員が381.7万円、看護職(看護師・准看護師・保健師)が429.3万円となりました。同じく月給制組合員における地域区分ごとの平均月収では、東京23区が該当する1級地では290,552円、横浜市、大阪市などが該当する2級地では277.390円、千葉市、名古屋市などが該当する3級地では278,615円となりました。
この結果について、NCCUの染川朗会長は「現在の物価高騰を踏まえると、物価上昇分を反映した介護報酬改定がなくては、日本全体で賃上げの機運が高まっている状況のなか、介護業界が置き去りにされるのではないかとの危機感がある。昨年2月から実施された『介護職員処遇改善支援補助金』には対象外の職種があるうえに、政府が見込んだ9,000円程度の賃上げでは、全産業平均との格差は是正されない。政府は労働移動をともなう構造的賃上げの実現を掲げているが、成長産業に位置付けられているはずの介護業界の賃金が低い状態のままという矛盾には疑問がある。2024年に介護報酬改定をひかえているが、それまでは待てない。さらに1年早く、2023年度予算で対応していかなければ、介護業界は働く側から崩壊していくだろう」とコメントしました。
日本介護クラフトユニオン(NCCU)「2022年賃金実態調査 結果報告」
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