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地域密着型特養(地域密着型介護老人福祉施設)の令和4年度の収支差率 コロナ・物価高騰補助金入れてもマイナスに~令和5年度介護事業経営実態調査結果<daily news pickup>

厚生労働省介護給付費分科会 介護事業経営調査委員会は、令和4年度決算を調査した令和5年度介護事業経営実態調査の結果を公表しました。その中から地域密着型特養について解説します。

収支差分 税引後マイナス0.4% 前年度の1.2%を大きく下回る

令和4年度決算における、1施設・事業所当たりの介護料収入は月額906万円で前年度比36万円のプラス。保険外の利用料による収入、新型コロナウイルス感染症・物価関連の補助金収入を除いた収入合計は月額1143万8000円(前年度比12万4000円のプラス)となりました。

一方、1施設・事業所当たりの支出は月額757万5000円で前年度比16万1000円のプラス。そのうち、給与費の占める割合は66.2%(前年度比0.7ポイントプラス)、車両費や燃料費。食費などのその他支出に占める割合は26.6%(前年度比1.5ポイントプラス)となりました。

上記の収入から支出を差し引いた差分は月額マイナス12万4000円で-1.1%(前年度比マイナス2.2ポイント)となりました。これに、新型コロナウイルス感染症関連、物価高騰対策関連の収入を組み入れた収支は月額マイナス4万1000円(-0.4%)となり、前年度のプラス1.2%を大きく下回る結果となりました。

※税引後収支差率はコロナ関連補助金及び物価高騰対策関連補助金を含んだもの(物価高騰対策関連補助金は令和2、3年度決算には含まれない)
厚生労働省介護給付費分科会 介護事業経営調査委員会「令和5年度介護事業経営実態調査結果(案)」 をもとにドクターメイトで作成
厚生労働省介護給付費分科会 介護事業経営調査委員会「令和5年度介護事業経営実態調査結果(案)」 より

平均給与 常勤・看護師月額438,781円 常勤・介護福祉士月額405,779円

常勤の介護・看護職員の平均給与については、常勤・看護師で月額438,781円、常勤・准看護師で月額393,589円、常勤・介護福祉士で月額405,779円、常勤・介護職員で月額370,990円となり、 看護・介護職員(常勤換算)1人当たり給与費は月額363,915円(前年度比20,775円プラス)となりました。

厚生労働省介護給付費分科会 介護事業経営調査委員会「令和5年度介護事業経営実態調査結果(案)」 をもとにドクターメイトで作成

地域区分別 1~6級地でマイナス収支

地域区分別では、税引後収支差率は1級地がマイナス3.1%、2級地がマイナス2.4%、3級地がマイナス8.4%、4級地がマイナス0.5%、5級地がマイナス3.0%、6級地がマイナス1.2%、7級地がプラス0.5%と1〜6級地でマイナス収支となりました。

看護・介護職員(常勤換算)の1人当たり給与費は、 1級地が月額406,403円、2級地が月額354,823円、3級地が月額389,334円、4級地が月額365,598円、5級地が月額398,782円、6級地が月額371,406円、7級地が月額375,348円となりました。

新型コロナウイルス感染症 サービス一時休止・縮小の影響大きく

新型コロナウイルス感染症の施設・事業所運営への影響について、「行政からの要請によるサービスの一時休止」を行なった施設では税引後収支差率がマイナス4.4%となった一方、サービスの一時休止や運営の縮小、近隣事業所等からの利用者の受け入れなど、新型コロナウイルス感染症関連の影響がなかった施設の税引後収支差率はプラス0.4%で、新型コロナウイルス感染症が施設運営に大きな影響を与えていることが分かりました。

厚生労働省介護給付費分科会 介護事業経営調査委員会「令和5年度介護事業経営実態調査結果(案)」

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