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ユマニチュードとは?4つの柱・5つのステップを簡単に解説【実践例あり】

ユマニチュードは、認知症の方や高齢者との信頼関係を築くために、「見る・話す・触れる・立つ」を大切にするケア技法です。

この記事では、ユマニチュードの基本的な考え方や4つの柱、5つのステップを簡単に解説し、入浴拒否や着替え拒否など介護現場での実践例も紹介します。

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ユマニチュードとは

介護や看護の現場において、認知症を持つ方や高齢者とのコミュニケーションを円滑にし、お互いに心を通わせるケアの手法として世界中で注目されているのが「ユマニチュード(Humanitude)」です。

フランスで発祥したこのコミュニケーション技法は、ケアをする側と受ける側の双方が穏やかで良好な関係を築くための具体的な技術として、日本の医療・介護現場でも導入が進んでいます。

基本概念と「人間らしさ」を尊重するケア

ユマニチュードとは、フランス語の「Humanité(人間性)」に由来する造語で、「あなたを一人の人間の存在として大切に思っています」というメッセージを、相手に伝わる形で届ける技術です。

フランスの体育学系出身のイヴ・ジネストとロゼット・マレスコッティの2人によって、40年以上にわたる現場での実践の中から作り出されました。

認知症や病気によって自立した生活が難しくなると、時に介護の場面で「作業としてのケア(着替えや排泄の介助)」が優先されがちになります。

その結果、ケアを受ける側が恐怖や拒絶を感じ、暴言や徘徊といった「認知症のBPSD(行動・心理症状)」につながるケースも少なくありません。

ユマニチュードは、絆を築くコミュニケーションを通じて 「私はあなたを尊重しています」 というケアの意思を正確に伝えることで、相手の不安を取り除き、 お互いに笑顔で過ごせる関係性を構築すること を最大の目的としています。

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「4つの柱」と具体的な技術

ユマニチュードでは、相手に自分の思いやケアの意思を伝えるために、五感を通じた「見る」「話しかける」「触れる」「立つ」という4つの基本動作(4つの柱)を組み合わせて実践します。

見る(視覚的なメッセージ)

相手の正面から、同じ目の高さ(目線の水平合わせ)で、近くからじっと目を合わせます。

上から見下ろしたり、横から話しかけたりすると威圧感を与えてしまうため、正面から優しく視線を合わせることで「あなたに関心があります」という好意を伝えます。

話しかける(聴覚的なメッセージ)

穏やかで優しいトーンで、低めの声で絶え間なく語りかけます。

返答が難しい方に対しても「今から服を脱ぎますね」「温かいタオルで拭きますね」と自身の行動を実況中継するように声をかける「オートフィードバック」という技術を用い、相手に安心感を与えます。

触れる(触覚的なメッセージ)

掴むような力を入れた触れ方や、急に叩くような触れ方は恐怖感を与えます。手のひら全体を使い、広く包み込むように優しく触れるのが基本です。

背中や肩など、敏感ではない部位から触れ始め、徐々にケアの対象部位へ移行します。

立つ(立位保持と存在感の回復)

人間が「立つ」という動作は、骨や筋肉の維持、循環器機能の保持だけでなく、「一人立ちした人間としての尊厳」を保つ上で非常に重要です。

1日わずか数分でも立つ機会をケアの中に取り入れることで、身体機能の維持と自己肯定感の向上を目指します。

認知症の「入浴拒否・着替え拒否」における実践例

認知症に伴う入浴拒否や着替え拒否に対してユマニチュードを活用する場合、「力づくで抑え込む」のではなく、「見る・触れる・話しかける」を同時に行いながら安心感を提供します。

入浴拒否へのアプローチ例

「お風呂に入りましょう」という言葉自体に苦手意識を持っている場合があるため、その言葉を使わずに誘導するのが有効です。

関わり方: 背中に優しく手を添え、正面から目を合わせながら声をかけます。

会話例

「(笑顔で目を合わせ)〇〇さん、あちらに温かいお湯を用意したんです。少し手を温めに行きませんか?」

「お外が肌寒いですから、温かい湯気を見るとホッとしますよね。」

認知症の方が入浴を拒否する場合の対応方法については、精神科医からのアドバイス付きの特集記事でも詳しく紹介しています。

着替え拒否へのアプローチ例

服を脱がせることではなく「新しく気持ちいい服を着ること」に意識を向けます。

関わり方: 肩や腕に優しく触れながら、包み込むように接します。

会話例

「(肩を撫でながら)〇〇さん、この新しい服、とってもお似合いになりそうですよ。肌触りもフワフワしています。」

「少しお袖を通してみましょうか。右のお手元からゆっくり失礼しますね。」

拒否が強い場合は一度引き下がる

強い拒否がある場合、無理強いすると「嫌なことをされた」という負の感情(感情記憶)だけが残ってしまいます。

「お嫌でしたね、失礼いたしました」と笑顔で一度退き、15〜20分ほど置いて別のスタッフが同じ手順でアプローチし直すと、スムーズに受け入れてもらえることが多くあります。

実践するための「5つのステップ」

ユマニチュードのケアは、一連の流れ(シークエンス)に沿って段階的に進めることで効果を発揮します。

1

出会いの準備

部屋に入る前にノックをし、正面から目線を合わせて自分の存在に気づかせます。

2

絆の確立

4つの柱を使い、相手と目線を合わせて挨拶し、ケアを受け入れてもらえる関係を数分間で築きます。

3

感情の着地(ケアの実施)

ケアの最中も絶え間なく語りかけ、ポジティブな感覚を共有します。拒否があれば無理強いせず引き下がります。

4

感情の引き継ぎ

「きれいになりましたね」「さっぱりして気持ちいいですね」と前向きで良い感情が記憶に残る会話を交わします。

5

再会の約束

「また後でお茶を飲みましょうね」と次の訪問を約束し、感謝を伝えて離れます。

まとめ

ユマニチュードとは、単なる精神論ではなく、相手の脳に「自分は大切にされている」という感覚を正しく届けるための体系化されたケア技術です。

拒否がある場面でも「作業を達成すること」ではなく「信頼関係を保つこと」を第一目標に置くことで、お互いにストレスのない温かなケアが可能になります。日々の関わりに「見る・話しかける・触れる・立つ」の意識を取り入れていきましょう。

出典:一般社団法人 日本ユマニチュード学会: ユマニチュードとは

介護施設の職員教育に

より良いケアを、職員一人ひとりの経験だけにしない

ユマニチュードのようなケアの考え方を現場で活かすには、 一人の職員だけが知識を持つのではなく、 施設全体で学び、共通理解を持つこと も大切です。

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