20代では夜勤などの労働条件や処遇に対する不満が高い
11月公益社団法人日本看護協会の2021年度「ナースセンター登録データに基づく看護職の求職・求人・就職に関する分析」では、就業している看護師の「退職したい理由」が明らかになっています。同調査によると、就業している看護師の退職したい理由について、「看護職の他の職場への興味」が最も多い結果となりました。次いで、「子育て」「転居」「結婚」とライフイベントを理由としたものが続いたほか、上位には勤務時間や夜勤など労働条件や処遇に関する理由が並びました。
看護師の転職事情 「ずっと1カ所」「転職繰り返し」に2極化?
「他の職場への興味」がそのまま転職(離職)に結びついているか、というとそうでも無いようです。以前から看護師は「超売り手市場で年齢・経験問わず転職しやすい」と言われていますが、実際に「転職するか」というと、「今の職場に居続ける」派と「転職を繰り返す」派に2極化している様子がうかがえます。厚生労働省の「看護職員就業状況等実態調査結果」のこれまでに勤務先を退職した回数によれば、「退職回数0回」が45.2%、「退職回数1回」が24.0%と約7割の看護師が「退職回数1回以下」となっています。この退職した回数については、結婚して専業主婦になるケースなど、必ずしも転職回数とイコールになるわけではありませんが、多くの看護師が「他の施設に興味を持ちつつも、今の職場にとどまっている」ことが分かります。
ただこの「他の職場への興味」は「まだ顕在化していない現職への不満」ともいえます。「興味」が「行動」に移らないうちに、きめ細やかなマネジメントや職場/労働環境の整備などで早め早めに手をうつことが、離職防止にもつながるでしょう。
公益社団法人日本看護協会 2021年度「ナースセンター登録データに基づく看護職の求職・求人・就職に関する分析」
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