高血圧治療薬、抗凝固薬、睡眠導入薬など30成分以上で併用禁忌 併用注意も60成分超
有効性、安全性ともにデータを見る限りでは良好なパキロビットですが、実は泣き所があります。それはニルマトレルビルの血中濃度維持のために使われているリトナビルが様々な薬と相互作用を引き起こすことです。
併用してはいけない併用禁忌の成分だけで30成分以上です。その中には高血圧治療薬でカルシウム拮抗薬のカルブロック(一般名:アゼルニジピン)やこれが配合されたレザルタス配合錠、抗凝固薬のイグザレルト(一般名:リバーロキサバン)、睡眠導入薬のハルシオン(一般名:トリアゾラム)といった高齢者では比較的メジャーな薬も含まれています。
また、併用禁忌まではいかないものの併用時には要注意な薬は60成分超にものぼり、そこには前述の高血圧治療薬のカルシウム拮抗薬全般、高脂血症治療のスタチン製剤などが含まれています。さらに腎機能障害や肝機能障害がある人にも使いにくい薬です。
いずれにせよ服用に当たってはかなり注意を要する薬で、もし服用が検討される場合はお薬手帳を医師や薬剤師に開示して厳重にチェックしてもらう必要があります。
ある意味「特効薬」だが諸刃の剣でもあるという何とも難しい薬なのです。
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国立国際医療研究センター病院「「パキロビッド®パックとの併用に慎重になるべき薬剤リスト」の公開について」 https://www.hosp.ncgm.go.jp/phar/140/20220210.pdf