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【ニュース解説】事業所管理者 条件付きでテレワークも可能に 常駐に関する規制緩和で事務連絡

厚生労働省老健局高齢者支援課、認知症施策・地域介護推進課、老人保健課は9月5日付で事務連絡「情報通信機器を活用した介護サービス事業所・施設等における管理者の業務の実施に関する留意事項について」を発出しました。この事務連絡は、介護事業所管理者の「常駐」に関する規制緩和となります。

デジタル臨調の答申を踏まえて見直し

もっとも介護事業所管理者の「常駐」規制は、やや曖昧なものです。これら管理者については、ケースバイケースで施設内の特定業種や併設施設での兼務は認めているものの、人員配置・運営基準では「常勤」で「専従」であることを求めており、これを一般的には「常駐」と捉えていました。つまりどの状態までが「常駐」に当たるかは明示されていなかったのが実際です。

しかし、この3年間のコロナ禍により、業界や法人によって差はありますが、社会全般でテレワークが推進されてきました。これを受けて働き方の選択肢が増えたことに加え、兼業がやりやすくなったこと、さらには今後の少子高齢化でいわゆる生産人口が減少することを踏まえ、政府はデジタル改革、規制改革、行政改革に横断的に取り組む「デジタル臨時行政調査会」(議長:岸田文雄首相)を2021年に設置しました。この流れの中で同調査会では今年6月に「デジタル原則に照らした規制の一括見直しプラン」を公表し、各業界での「常駐・専任」規制の見直しを謳いました。今回の介護事業所管理者に関する規制緩和、言い換えれば基準の明示は、この取り組みの一環として9月までに結論を出すことが決まっていたものです。

管理業務、サービス提供に影響が生じない条件でテレワーク可に

今回の事務連絡通知は、特別養護老人ホームの施設長も含む介護保険法上の各サービスの人員や運営に関する基準で定める管理者についての取扱いを定めたものですが、老人福祉法とその関係省令で定める軽費老人ホームや養護老人ホームの施設長でもこの通知に準じた取り扱いをして良いと定めています。まず、管理者のテレワークについての基本的な考えは、管理業務に支障が生じない範囲、かつ利用者へのサービス提供やその質などに影響が生じないという前提で認めることとしています。

「管理業務に支障が生じない範囲」は以下の5項目を満たすことを前提としています。

・テレワークで事業所に不在時もその他の職員に過度な負担をかけることなく、サービスごとに運営基準上定められた管理者業務に支障が生じない体制が整備されている

・利用者や職員と管理者の間で適切に連絡が取れる体制が確保されている

・事故発生時、利用者の状態急変時、災害発生時などの緊急時対応について予め流れを定め、必要に応じて管理者自身が速やかに出勤できる

・管理者がテレワークを行うことができる日数・時間数をサービスの種類や事業所の実態等に応じて各事業者が個別に判断し、他の職種を兼務する管理者の場合は管理者以外の各職種の人員配置基準に違反しない

・前述の状況について利用者・家族、都道府県、市町村などから求めに応じて適切かつ具体的に説明できる

また、管理者に対しては利用者、職員などと、テレワークを円滑に行えるような関係を日頃から築いておくことも求めています。

テレワーク時には情報管理に最大限の注意を

テレワークを行う環境については、個人情報保護関係法令や「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス」、「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン 第 6.0 版(令和5年5月)」といった法令などに準拠して個人情報の外部漏洩、外部からの不正アクセスの防止措置が講ずる、利用者・家族に関する情報が記載された文書などを持ち帰って業務を行う際の情報の取扱いに留意する、としています。

ちなみに通知では「第三者が情報通信機器の画面を覗き込む、従業者・利用者との会話を聞き取るなどにより、利用者やその家族に関する情報が漏れることがないような環境でテレワークを行うこと」とも記述しています。これに沿えば、管理者が自宅でテレワークをする場合も、管理者の家族に仕事のやり取りが聞こえるような状況は原則避けなければなりません。ましてや最近流行りの電源、パスワード不要のフリーWi-Fiのあるカフェなどでのテレワークはもってのほかになります(最近、ターミナル駅などに設置され始めているテレワーク用ボックスならば可能でしょうが、パスワード不要のフリーWi-Fi使用ならばNGと考えねばなりません)。

なお、テレワーク実施者の適切な労務管理については厚生労働省作成の「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」を参照する旨が記載されています。

厚生労働省「介護保険最新情報」Vol.1169

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