厚生労働省は10月11日に開催された第227回社会保障審議会介護給付費分科会で、介護サービス事業者におけるBCPなどの業務継続に向けた取組状況の最新調査の速報値を公表しました。調査は2023年の7~8月にかけて実施され、23のサービス種別の事業所・施設から5070の回答を得ています。
令和3年度介護報酬改定において、感染症や災害への対応力を強化する観点から、全ての介護サービス事業者に対して、感染症対策や災害対策の強化、及び業務継続に向けた計画(BCP)の策定等の各種取組が基準省令において義務付けられていますが、2024年3月末をもって、その経過措置期間が終了します。
BCP策定 未策定事業所の約7割「策定にかける時間が無い」
感染症BCP、自然災害BCPのそれぞれの策定状況について、「策定完了」と回答した事業所は、感染症BCPで29.3%、自然災害BCPで26.8%でした。一方、「未策定(未着手)」と回答した事業所は、感染症BCPで15.6%、自然災害BCPで17.1%でした。サービス別では、訪問介護、訪問リハビリテーション、福祉用具貸与・販売、地域密着型通所介護では、感染症BCP、自然災害BCPともに「未策定(未着手)」が20%を超えており、地域密着型特定施設入居者生活介護では自然災害BCPで「未策定(未着手)」が20%を超えていました。
BCP未策定(未着手)の事業所における策定時の課題は、「策定にかける時間を確保すること」と回答した割合が感染症BCPでは72.8%、自然災害BCPでは73.4%でいずれにおいても最も高い結果となりました。
第227回社会保障審議会介護給付費分科会「介護サービス事業者における業務継続に向けた取組状況の把握及びICTの活用状況に関する調査研究事業(速報値)」
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