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<特養 地域密着型特養>令和6年度介護報酬改定 改定項目詳細 (5)介護職員等処遇改善加算 生産性向上推進体制加算 外国人介護人材に係る人員配置基準上の取扱い ほか

2024年1月22日に開催された社会保障審議会(介護給付費分科会)で提示された、単位数や算定要件などの令和6年度介護報酬改定の具体的な改定案から特養 地域密着型特養の改定項目について、シリーズでお伝えします。

【加算見直し】介護職員等処遇改善加算

介護現場で働く方々にとって、令和6年度に2.5%、令和7年度に2.0%のベースアップへと確実につながるよう加算率の引上げを行う。

介護職員等の確保に向けて、介護職員の処遇改善のための措置ができるだけ多くの事業所に活用されるよう推進する観点から、介護職員処遇改善加算、介護職員等特定処遇改善加算、介護職員等ベースアップ等支援加算について、現行の各加算・各区分の要件及び加算率を組み合わせた4段階の「介護職員等処遇改善加算」に一本化を行う。

※一本化後の加算については、事業所内での柔軟な職種間配分を認める。また、人材確保に向けてより効果的な要件とする等の観点から、月額賃金の改善に関する要件及び職場環境等要件を見直す。

単位数

介護職員等処遇改善加算を除く加減算後の総報酬単位数に以下の加算率を乗じる。加算率はサービス毎の介護職員の常勤換算職員数に基づき設定。

Ⅰ 14.0%

Ⅱ 13.6%

Ⅲ 11.3%

Ⅳ 9.0%

(注)令和6年度末までの経過措置期間を設け、経過措置期間中は、現行の3加算の取得状況に基づく加算率を維持した上で、今般の改定による加算率の引上げを受けることができるようにすることなどの激変緩和措置を講じる。

算定要件等

・一本化後の新加算全体について、職種に着目した配分ルールは設けず、事業所内で柔軟な配分を認める。

・新加算のいずれの区分を取得している事業所においても、新加算Ⅳの加算額の1/2以上を月額賃金の改善に充てることを要件とする。

※それまでベースアップ等支援加算を取得していない事業所が、一本化後の新加算を新たに取得する場合には、収入として新たに増加するベースアップ等支援加算相当分の加算額については、その2/3以上を月額賃金の改善として新たに配分することを求める。

【通知改正】テレワークの取扱い

人員配置基準等で具体的な必要数を定めて配置を求めている職種のテレワークに関して、個人情報を適切に管理していること、利用者の処遇に支障が生じないこと等を前提に、取扱いの明確化を行い、職種や業務ごとに具体的な考え方を示す。

【省令改正】利用者の安全並びに介護サービスの質の確保及び職員の負担軽減に資する方策を検討するための委員会の設置の義務付け

介護現場における生産性の向上に資する取組の促進を図る観点から、現場における課題を抽出及び分析した上で、事業所の状況に応じて、利用者の安全並びに介護サービスの質の確保及び職員の負担軽減に資する方策を検討するための委員会の設置を義務付ける。その際、3年間の経過措置期間を設けることとする。

【新規加算】生産性向上推進体制加算

介護現場における生産性の向上に資する取組の促進を図る観点から、介護ロボットやICT等のテクノロジーの導入後の継続的なテクノロジーの活用を支援するため、利用者の安全並びに介護サービスの質の確保及び職員の負担軽減に資する方策を検討するための委員会の開催や必要な安全対策を講じた上で、見守り機器等のテクノロジーを1つ以上導入し、生産性向上ガイドラインの内容に基づいた業務改善を継続的に行うとともに、一定期間ごとに、業務改善の取組による効果を示すデータの提供を行うことを評価する新たな加算を設けることとする。

加えて、上記の要件を満たし、提出したデータにより業務改善の取組による成果が確認された上で、見守り機器等のテクノロジーを複数導入し、職員間の適切な役割分担(いわゆる介護助手の活用等)の取組等を行っていることを評価する区分を設けることとする。

単位数

生産性向上推進体制加算(Ⅰ)100単位/月(新設)

生産性向上推進体制加算(Ⅱ)10単位/月(新設)

算定要件等

【生産性向上推進体制加算(Ⅰ)】

(Ⅱ)の要件を満たし、(Ⅱ)のデータにより業務改善の取組による成果(※1)が確認されていること。

・見守り機器等のテクノロジー(※2)を複数導入していること。

・職員間の適切な役割分担(いわゆる介護助手の活用等)の取組等を行っていること。

・1年以内ごとに1回、業務改善の取組による効果を示すデータの提供(オンラインによる提出)を行うこと。

注:生産性向上に資する取組を従来より進めている施設等においては、(Ⅱ)のデータによる業務改善の取組による成果と同等以上のデータを示す等の場合には、(Ⅱ)の加算を取得せず、(Ⅰ)の加算を取得することも可能である。

【生産性向上推進体制加算(Ⅱ)】

・利用者の安全並びに介護サービスの質の確保及び職員の負担軽減に資する方策を検討するための委員会の開催や必要な安全対策を講じた上で、生産性向上ガイドラインに基づいた改善活動を継続的に行っていること。

・見守り機器等のテクノロジーを1つ以上導入していること。

・1年以内ごとに1回、業務改善の取組による効果を示すデータの提供(オンラインによる提出)を行うこと。

(※1)業務改善の取組による効果を示すデータ等について

(Ⅰ)において提供を求めるデータは、以下の項目とする。

ア 利用者のQOL等の変化(WHO-5等)

イ 総業務時間及び当該時間に含まれる超過勤務時間の変化

ウ 年次有給休暇の取得状況の変化

エ 心理的負担等の変化(SRS-18等)

オ 機器の導入による業務時間(直接介護、間接業務、休憩等)の変化(タイムスタディ調査)

(Ⅱ)において求めるデータは、(Ⅰ)で求めるデータのうち、アからウの項目とする。

(Ⅰ)における業務改善の取組による成果が確認されていることとは、ケアの質が確保(アが維持又は向上)された上で、職員の業務負担の軽減(イが短縮、ウが維持又は向上)が確認されることをいう。

(※2)見守り機器等のテクノロジーの要件

見守り機器等のテクノロジーとは、以下のアからウに掲げる機器をいう。

ア 見守り機器

イ インカム等の職員間の連絡調整の迅速化に資するICT機器

ウ 介護記録ソフトウェアやスマートフォン等の介護記録の作成の効率化に資するICT機器(複数の機器の連携も含め、データの入力から記録・保存・活用までを一体的に支援するものに限る。)

・見守り機器等のテクノロジーを複数導入するとは、少なくともアからウまでに掲げる機器は全て使用することであり、その際、アの機器は全ての居室に設置し、イの機器は全ての介護職員が使用すること。なお、アの機器の運用については、事前に利用者の意向を確認することとし、当該利用者の意向に応じ、機器の使用を停止する等の運用は認められるものであること。

【関連トピックス】

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【算定要件見直し】外国人介護人材に係る人員配置基準上の取扱い

就労開始から6月未満のEPA介護福祉士候補者及び技能実習生(以下「外国人介護職員」という。)については、日本語能力試験N1又はN2に合格した者を除き、両制度の目的を考慮し、人員配置基準への算入が認められていないが、就労開始から6月未満であってもケアの習熟度が一定に達している外国人介護職員がいる実態なども踏まえ、人員配置基準に係る取扱いについて見直しを行う。具体的には、外国人介護職員の日本語能力やケアの習熟度に個人差があることを踏まえ、事業者が、外国人介護職員の日本語能力や指導の実施状況、管理者や指導職員等の意見等を勘案し、当該外国人介護職員を人員配置基準に算入することについて意思決定を行った場合には、就労開始直後から人員配置基準に算入して差し支えないこととする。

その際、適切な指導及び支援を行う観点、安全体制の整備の観点から、以下の要件を設ける。

ア 一定の経験のある職員とチームでケアを行う体制とすること。

イ 安全対策担当者の配置、指針の整備や研修の実施など、組織的に安全対策を実施する体制を整備していること。

併せて、両制度の趣旨を踏まえ、人員配置基準への算入の有無にかかわらず、研修又は実習のための指導職員の配置や、計画に基づく技能等の修得や学習への配慮など、法令等に基づき、受入れ施設において適切な指導及び支援体制の確保が必要であることを改めて周知する。

算定要件等

次のいずれかに該当するものについては、職員等の配置の基準を定就労開始就労開始6ヶ月める法令の適用について職員等とみなしても差し支えないこととする。

・受入れ施設において就労を開始した日から6月を経過した外国人介護職員

・受入れ施設において就労を開始した日から6月を経過していない外国人介護職員であって、受入れ施設(適切な研修体制及び安全管理体制が整備されているものに限る。)に係る事業を行う者が当該外国人介護職員の日本語の能力及び研修の実施状況並びに当該受入れ施設の管理者、研修責任者その他の職員の意見等を勘案し、当該外国人介護職員を職員等の配置の基準を定める法令の適用について職員等とみなすこととしたもの

・日本語能力試験N1又はN2に合格した者

【通知改正】ユニット間の勤務体制に係る取扱いの明確化

ユニット型施設において、引き続き利用者との「馴染みの関係」を維持しつつ、柔軟なサービス提供により、より良いケアを提供する観点から、職員の主たる所属ユニットを明らかにした上で、必要に応じてユニット間の勤務が可能であることを明確化する。

【省令改正】小規模介護老人福祉施設の配置基準の見直し

離島・過疎地域に所在する定員30名の小規模介護老人福祉施設における効率的な人員配置を可能とする観点から、短期入所生活介護事業所等を併設する場合に、入所者等の処遇等が適切に行われる場合に限り、当該短期入所生活介護事業所等に生活相談員等を置かないことを可能とする。

基準

離島・過疎地域(※1)に所在する定員30名の介護老人福祉施設に、短期入所生活介護事業所等が併設される場合、利用者の処遇が適切に行われる場合に限り、それぞれ次のとおり人員基準の緩和を認める。

①(介護予防)短期入所生活介護事業所が併設される場合、これらの事業所に置かないことができる人員

・医師(※2)・生活相談員・栄養士・機能訓練指導員

②(介護予防)通所介護事業所、地域密着型通所介護事業所、(介護予防)認知症対応型通所介護事業所が併設される場合、これらの事業所に置かないことができる人員

・生活相談員・機能訓練指導員

③小規模多機能型居宅介護事業所、看護小規模多機能型居宅介護事業所を併設する場合に、介護老人福祉施設に置かないことができる人員

・介護支援専門員

※1「離島・過疎地域」とは、離島振興法に規定する離島振興対策実施地域、奄美群島振興開発特別措置法に規定する奄美群島、小笠原諸島振興開発特別措置法に規定する小笠原諸島、沖縄振興特別措置法に規定する離島、過疎地域の持続的発展の支援に関する特別措置法に規定する過疎地域(みなし過疎地域を含む。)をいう。

※2(介護予防)短期入所生活介護事業所の利用者の健康管理が適切に行われる場合に限る。

【算定要件見直し】経過的小規模介護老人福祉施設等の範囲の見直し

報酬体系の簡素化や報酬の均衡を図る観点から、離島・過疎地域以外に所在する経過的小規模介護老人福祉施設であって、他の介護老人福祉施設と一体的に運営されている場合は、介護老人福祉施設の基本報酬に統合する。また、同様の観点から、経過的地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護について、離島・過疎地域に所在する場合を除き、地域密着型介護老人福祉施設の基本報酬に統合する。その際、1年間の経過措置期間を設ける。

算定要件等

経過的小規模介護福祉施設サービス費を算定すべき指定介護福祉施設サービスの施設基準(抄)

(1)平成三十年三月三十一日までに指定を受けた、入所定員が三十人の指定介護老人福祉施設であること。

(2)離島又は過疎地域に所在すること又は離島又は過疎地域以外に所在し、かつ、他の指定介護老人福祉施設と併設されていないこと。

※「離島又は過疎地域」とは、離島振興法に規定する離島振興対策実施地域、奄美群島振興開発特別措置法に規定する奄美群島、小笠原諸島振興開発特別措置法に規定する小笠原諸島、沖縄振興特別措置法に規定する離島、過疎地域の持続的発展の支援に関する特別措置法に規定する過疎地域(みなし過疎地域を含む。)をいう。

【通知改正】人員配置基準における両立支援への配慮

介護現場において、治療と仕事の両立が可能となる環境整備を進め、職員の離職防止・定着促進を図る観点から、各サービスの人員配置基準や報酬算定について、以下の見直しを行う。

ア 「常勤」の計算に当たり、職員が育児・介護休業法等による育児・介護等の短時間勤務制度を利用する場合に加えて、「治療と仕事の両立ガイドライン」に沿って事業者が設ける短時間勤務制度等を利用する場合にも、週30時間以上の勤務で「常勤」として扱うことを認める。

イ 「常勤換算方法」の計算に当たり、職員が「治療と仕事の両立ガイドライン」に沿って事業者が設ける短時間勤務制度等を利用する場合、週30時間以上の勤務で常勤換算での計算上も1(常勤)と扱うことを認める。

基準・算定要件等

運営基準の解釈通知及び報酬算定上の留意事項通知について、「常勤」及び「常勤換算方法」に係る取扱いを以下のように改正する。

厚労省資料より

※人員配置基準上の「常勤」及び「常勤換算方法」の計算においては、常勤の従業者が勤務すべき時間数(32時間を下回る場合は32時間を基本)勤務している者を「常勤」として取り扱うこととしている。

【省令改正】【通知改正】管理者の責務及び兼務範囲の明確化

提供する介護サービスの質を担保しつつ、介護サービス事業所を効率的に運営する観点から、管理者の責務について、利用者へのサービス提供の場面等で生じる事象を適時かつ適切に把握しながら、職員及び業務の一元的な管理・指揮命令を行うことである旨を明確化した上で、管理者が兼務できる事業所の範囲について、管理者がその責務を果たせる場合には、同一敷地内における他の事業所、施設等ではなくても差し支えない旨を明確化する。

いわゆるローカルルールについて

都道府県及び市町村に対して、人員配置基準に係るいわゆるローカルルールについて、あくまでも厚生労働省令に従う範囲内で地域の実情に応じた内容とする必要があること、事業者から説明を求められた場合には当該地域における当該ルールの必要性を説明できるようにすること等を求める。

【省令改正】【告示改正】【通知改正】「書面掲示」規制の見直し

運営基準省令上、事業所の運営規程の概要等の重要事項等については、原則として事業所内での「書面掲示」を求めている一方、備え付けの書面(紙ファイル等)又は電磁的記録の供覧により、書面による壁面等への掲示を代替できる規定になっているところ、「書面掲示」に加え、インターネット上で情報の閲覧が完結するよう、介護サービス事業者は、原則として重要事項等の情報をウェブサイト(法人のホームページ等又は情報公表システム上)に掲載・公表しなければならないこととする。

厚生労働省 第239回社会保障審議会介護給付費分科会

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