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【詳しく解説】2024年2月からの「介護職員処遇改善支援補助金」Q&A

令和6年2月分から5月分の賃金改善の補助として交付される「介護職員処遇改善支援補助金」について、厚労省から公表されたQ&Aをまとめました。なお、この補助金について、厚労省ではコールセンターを設置し、問い合わせに対応しています。

介護職員処遇改善支援補助金等厚生労働省コールセンター

電話番号:050-3733-0222

受付時間:9:00~18:00(土日含む)

Q.令和6年2月分及び3月分の賃金改善は一時金等での対応も可とされているが、その場合、どの程度の賃金改善を行っている必要があるか

令和6年2月からの介護職員処遇改善支援補助金においては、毎月ごとに賃金改善額が補助額を上回ることを求めるものではないため、令和6年2月分及び3月分として見込まれる補助金額のすべてを、令和6年2月分及び3月分の賃金改善に充てる必要はありません。ただし、全体で、2月から5月分の4か月間の補助金の合計額を上回る賃金改善を行うことが必要であるため、計画的に賃金改善を行う必要があります。

Q.補助金の対象期間は、令和6年2月から5月までの期間とされているが、補助額に相当する賃金改善の実施は、何月に行う必要があるか

補助額は、令和6年2月から5月までの各月の介護報酬総単位数を用いて算出するため、令和6年2月分から5月分の賃金改善が必要です。なお、「○月分の賃金改善」というのは、「○月の労働に対する賃金を引き上げる」又は「○月に支払われる賃金を引き上げる」のいずれの方法もとりうるものですが、現行の処遇改善加算等と異なる取扱いとならないよう、各事業所において注意が必要です。

Q.令和6年2月分から賃金改善を行うことが交付要件とされているが、令和6年2月分及び3月分の賃金改善は一時金で対応したとしても、4月分以降は毎月の基本給等の引上げが必要か

賃金改善が賃上げ効果の継続に資するよう、令和6年4・5月分の補助額の3分の2以上の賃金改善を、令和6年4・5月分の基本給又は決まって毎月支払われる手当の引上げに充てることを交付要件としています。そのため、令和6年2月分及び3月分の賃金改善は一時金により対応した場合であっても、令和6年4月分以降は、基本給等による毎月の賃金改善を行うことが必要となります。

Q.基本給等による賃金改善を開始した後に、利用者が想定よりも増えるなど、補助金の受給額が計画書作成時の見込額を上回り、基本給等に充てるべき額が増加した場合、必要に応じて再度就業規則等を改訂し、基本給又は決まって毎月支払われる手当を更に引き上げることが必要か。

基本給又は決まって毎月支払われる手当を更に引き上げる必要があります。令和6年4・5月分の補助額の3分の2以上の賃金改善を、令和6年4・5月分の基本給等の引上げにより行うことが必要であることから、当初の計画以上に介護報酬額が増加した場合に備え、余裕のある賃金改善計画の策定に努める必要があります。

Q.時給や日給を引き上げることは、基本給等の引上げに当たるか。

基本給が時給制の職員についてその時給を引き上げることや、基本給が日給制の職員についてその日給を引き上げることは、基本給等の引上げに当たります。

Q.令和6年2月及び3月に一時金で賃金改善を行った場合、同年4月及び5月の2か月間において基本給等に係る要件を満たしていればよいか。もしくは、同年2月から5月までの4か月間全体で当該要件を満たしている必要があるか。

補助金の交付対象期間が4か月間と短いことから、令和6年4・5月分の2か月間で、補助金額の3分の2以上の基本給等の引上げを行っていれば要件を満たすことになります。

Q.基本給等の引上げに係る要件については、「介護職員」と「その他の職員」のグループごとに満たす必要があるか。

賃金改善の対象とする職員全体で、令和6年4・5月分の補助金額の3分の2以上の基本給等の引上げを行っていれば要件を満たします。また、事業者が賃金改善の対象とする介護職員・その他の職員については、それぞれの区分毎に、賃金改善額の3分の2以上を基本給等に充てるよう努める必要があります。

Q.賃金改善額について、「当該賃金改善に伴う法定福利費等の事業主負担の増加分を含むことができる」とされているが、法定福利費等の事業主負担の増加分は、基本給等による賃金改善に含めてよいか。

法定福利費等の事業主負担の増加分については、基本給等による賃金改善には当たりませんが、基本給等以外の部分として、賃金改善額に含めることは可能です。

Q.令和6年4・5月分の補助金額の3分の2以上を基本給等に充てることが要件とされているが、基本給等に充てた額以外の分について、用途制限はないのか。

全体で、補助金の合計額を上回る賃金改善を実施することが必要であるため、基本給等に充てた額以外の分についても、賞与や一時金等による賃金改善に充てる必要があります。その際、賃金改善とは賃金(基本給、手当、賞与等(退職手当を除く)を含む)の改善であって、賃金以外のコスト(事務費・設備投資・職員研修費等)に充てることはできません。

Q.「決まって毎月支払われる手当」とはどのようなものか。

「決まって毎月支払われる手当」には、労働と直接的な関係が認められ、労働者の個人的事情とは関係なく支給される手当を含みますが、以下の諸手当は含まれません。

・月ごとに支払われるか否かが変動するような手当

・労働と直接的な関係が薄く、当該労働者の個人的事情により支給される手当(通勤手当、扶養手当等)ただし、以上の諸手当は賃金改善の対象となる「賃金」には含まれます。

Q.就業規則等の改訂が間に合わず、本年4月以降に基本給等による賃金改善が実施できない場合は本補助金の対象外となるのか。

対象外となります。ただし、就業規則を改訂自体は補助金の要件ではないので、就業規則等の改訂・変更を行わなくても、令和6年4月分の賃金から基本給等による賃金改善を実施できるのであれば、補助金の要件を満たします。

Q.その他の職員の範囲は、事業所の判断で決められるのか。また、介護職員とその他の職員について、配分割合等のルールは設けられているか。

本補助金の配分対象とする介護職員以外のその他の職員の範囲は各事業所においての判断となります。

Q.介護職員等ベースアップ等支援加算について、いつの時点で算定している必要があるか。

補助金の交付対象となる各月について介護職員等ベースアップ等支援加算を算定していることを基本とします。ただし、令和6年2月サービス提供分からベースアップ等加算の算定に必要な準備・届出等が間に合わない場合に限り、令和6年4月からベースアップ等加算を算定していれば、本事業の対象となります。なお、この場合、令和6年2月分から本補助金の交付対象となります。

Q.介護予防・日常生活支援総合事業について、ベースアップ等加算を算定する枠組みがない市町村もあるが、ベースアップ等加算を算定していなければ、本補助金の支給対象にはならないか。

介護保険サービスにおけるベースアップ等加算と同様の加算が当該市町村において設定されており、事業所が当該加算を算定している場合は対象となります。したがって、旧介護予防訪問介護等に相当するサービスに加え、サービスAのうち、市町村(特別区を含む。)においてベースアップ等加算に相当する加算が設けられている場合においても、当該加算を算定している場合に限り、本事業の対象となります。

Q.前年度の介護職員等の賃金の総額は、前年度から事業所の介護職員等の減少や入れ替わり等があった場合、どのように考えればよいか。

実績報告書における「①令和6年2月から5月の処遇改善支援補助金を除いた賃金総額」と「②令和5年2月から5月の賃金総額」の比較は、本補助金による賃金改善以外の部分で賃金水準を引き下げていないことを確認するために行うものです。一方で、賃金表のベースダウン(一律の引下げ)等を行ったわけではないにも関わらず、事業規模の縮小に伴う職員数の減少や職員の入れ替わり(勤続年数が長く給与の高い職員が退職し、代わりに新卒者を採用した等)といった事情により、上記①の額が②の額を下回る場合には、②の額を調整しても差し支えありません。この場合の②の額の調整方法については、

・退職者については、その職員が、令和5年2月から5月に在籍していなかったものと仮定した場合における賃金総額を推計する

・新規採用職員については、その者と同職であって勤務年数等が同等の職員が、令和5年2月から5月に在籍したものと仮定した場合における賃金総額を推計する

等の方法が想定されます。

Q.本年3月以降に新規開設する事業所は本補助金の対象となるか。

本年3月以降に新規開設する事業所については、令和6年2月分からの賃金改善の実施以外の要件を満たす場合には、本補助金の対象となります。

Q.交付対象期間中に休廃止した事業所について、本補助金の対象となるか。

本補助金は、介護職員の継続的な賃金改善を目的として、基本給等の引上げを要件とするものであることから、処遇改善計画書の提出時点で令和6年5月までに休廃止することが明らかになっている事業所については、本補助金の交付の対象外となります。ただし、処遇改善計画書の提出時点では見通せなかった事情等により、交付対象期間中に事業所が休廃止することになった場合については、休廃止することが明らかになった時点で速やかに都道府県に届け出ることとし、休廃止となった月の前月までを、補助金の交付対象期間となります。

Q.地域密着型サービス等及び介護予防・日常生活支援総合事業については、都道府県でベースアップ等加算の算定状況は把握していないが、どのように要件の確認を行えばよいか。

ベースアップ等算定の取得状況は、国保連合会において確認が可能であり、地域密着型サービス等について、この観点からは市町村との連携を行う必要はありません。また、介護予防・日常生活支援総合事業については、市町村が独自でベースアップ等加算と同様の加算を設定している場合は、当該市町村と連携を行う必要があります。

厚生労働省「介護保険最新情報vol.1202」

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