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約6割の経営者「10年後も介護施設運営事業を存続できているか不安」

2024年度からの新介護報酬もスタートしましたが、一層の少子高齢化の進展による人材確保難など、介護事業経営層にとって悩みは尽きません。介護事業所経営層は今後の将来をどのように見ているのでしょうか?先ごろ介護DX事業を行う株式会社ヘルステクノロジー(本社・福島県南相馬市)が介護事業所経営者・役員500人以上を対象に行った「介護業界における経営に関する実態調査」が公表され、回答者の6割以上が今後10年間の介護施設運営を不安視していることがわかりました。今回はこの調査の結果を解説します。調査はインターネットを使って2024年2月14~20日に行われ、介護関連事業経営者・役員518人が回答を寄せました。

「求人応募少」「定着率減」など人材面が懸念に

「あなたが運営する介護施設に関して、今後10年間の存続についてどのように感じていますか」についての回答は、最多は「存続できているかやや不安」が38.0%、次いで「存続できているかかなり不安」が24.7%。事業の存続を不安視している経営層は合計62.7%(325人)となりました。「存続できているか全く不安はない」との回答は1割にも満たない9.7%にとどまりました。

プレスリリースより

前問の「かなり不安」「やや不安」の回答者を対象にした「運営する介護施設に関して、今後10年間での存続が不安だと思う理由を教えてください(複数回答)」との設問の結果では、最多は「従業員の定着率が低いから」が53.5%でしたが、2番目に多かった「求人の応募数が減少しているから」もほぼ変わらない53.2%で、やはり人材確保難が今後の懸念材料の筆頭に挙がっていました。これらに次いだのが「競合となる介護系サービスが増加しているから」が36.6%。以下は順に「人材の管理が効率的に行えていないから」が32.0%、「光熱費などの固定費が高騰しているから」が23.4%、「デジタル化やICT導入への対応が難しいから」が20.3%、「その他」が3.7%。

プレスリリースより

不安要素について回答した経営層の中で、「わからない/答えられない」との回答者以外を対象とした設問「前問回答した人以外に、運営する介護施設に関して、今後10年間での存続が不安な理由があれば、自由に教えてください。(自由回答)」(322人)への回答は、「介護報酬の減額改定」、「資金面の不安」「新規の利用者の申し込み減少」「職員維持が難しい」「給料が低い」「管理的な立場の職員が不足する」など約200件の自由記述回答が寄せられました。

デジタル化、ICT導入は介護施設経営者にとって頼みの綱に

「あなたは企業存続に向けて、デジタル化やICT導入が重要になると思いますか。」との設問では、「非常にそう思う」が34.4%、「ややそう思う」が45.2%と、約8割弱が重要性を感じているとの結果になりました。

この8割弱の回答者(412人)を対象にした設問「デジタル化やICT導入によって、今後、解決したい経営課題を教えてください。(複数回答)」の回答結果は、「サービスの質の向上」が最多の59.7%。以下は順に「労働環境の改善」が58.7%、「経費の削減」が49.3%、「人件費の適正化」が45.1%、「人材確保の強化」が39.3%、「離職率の低減」が37.9%などでした。

プレスリリースより

いずれにせよ人材確保難が介護事業経営層の最大の悩みであることは、これまでの他の調査結果とまったく同じと言っても過言ではありません。その中でデジタル化、ICT導入の必要性を多くの経営者が感じ、多様な利活用を念頭に置いていることがわかりました。もっともデジタル化、ICT導入はともすると現場が抵抗しがちです。ただし、厚生労働省の社会保障審議会などでも、最近はこれらの利活用を耳にタコができるほど提言しています。その意味では現場の抵抗があるにしても、まずは始めるという動きに舵を切る必要があるでしょう。

株式会社ヘルステクノロジー プレスリリース

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