
介護求人サイトを運営するシックスワン株式会社が全国の介護職従事者189名を対象としたアンケート調査を実施し、その結果をこのほど発表しました。

介護の仕事にやりがい「ある」64.5%
「介護職にやりがいがありますか」との問いについては、「ある」が20.1%、「まあまあある」が44.4%、「どちらともいえない」が17.5%、「あまりない」が7.4%、「ない」が10.6%となりました。「ある」「まあまあある」を合わせると64.5%にのぼります。もっとも1割強が「ない」と回答していることも悩ましい現実です。

過半数が何らかの不満を抱えながら仕事に就いている
他方で「介護職に不満はありますか?」という問いでは、「ある」が22.2%、「まあまあある」が34.4%、「どちらともいえない」が24.9%、「あまりない」が8.5%、「ない」が10.1%。「ある」「まあまあある」の合計が56.6%になるため、過半数が何らかの不満を抱えていることになります。
不満を感じる主な理由(単一回答)については、トップは「給与の低さ」が43.0%、「人手不足」が19.6%、「労働時間が長い」が17.8%、「職場の人間関係」が8.4%、「業務内容が過重」が7.5%などでした。


具体的な不満の内容については自由記述で寄せられています。
<給与の低さ>
・「給与が少ない。身体的にも精神的にも体力を使うのに比べて控除がない、少ない」(施設介護職員・20代)
・「介護は過酷で給与が安い」(介護福祉士・60代)
・「国会議員は給料高く介護士は低い、今後ますます介護の需要が増えるのでやりがいのある報酬を上げてほしい」(介護福祉士・40代)
<人手不足>
・「人手不足で労働負担が大きいので、何とか緩和される方針を打ち出してほしい」(ケアマネージャー・40代)
・「人を支えるのには人数が必要なのに労働者が少なく人手が常に足りない」(施設介護職員・20代)
・「人手不足がひどすぎて、利用者さんとの時間が持てない」(介護福祉士・40代)
・「慢性的な人手不足により、一人あたりの負担が大きく、心身ともに疲弊しやすい状況です」(介護福祉士・20代)
・「適切な人員配置の補助金制度、夜勤手当の増額、休暇取得の促進による負担の軽減や、教育・研修機会の充実による質の高い看護を提供できる環境の実現を求めます」(介護福祉士・20代)
<長時間労働>
・「労働時間と給与が見合っていないので、改善してほしい」(ケアマネージャー・20代)
・「休日などの待遇改善にもっと積極的になってほしい」(ホームヘルパー・50代)

若年者にとって「やりがい搾取」のように受け止められている可能性も
今回の結果から、現在の介護現場は若年者にとって「やりがい搾取」のように受け止められている可能性があります。ただでさえ、慢性的な人材不足が指摘されている中でこの状況を放置すれば、麩の悪循環に陥ることは明白です。もっとも給与に関しては、介護報酬が基軸となるため、法人・個人レベルで訴えていても効果は限定的です。もはや業界団体を中心とするより強力なロビー活動などが求められる局面に来ていると言っても過言ではないでしょう。
シックスワン株式会社 プレスリリース