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[相談事例]入院中に胃ろうが造設されました.再入所に際して食事回数は変えられないでしょうか?

弊社契約施設様よりいただいた実際のご相談事例をもとに,了解を得てご紹介しています。

看護師

おはようございます。

83歳女性。食事摂取が悪く脱水にて入院。入院中に胃瘻造設いたしました。今後当施設に戻る予定でカンファレンスをいたしました。

看護師

現在、経腸栄養剤(400−300−400)kcal、水分(300−300−300)mLの栄養です。持病に糖尿病がありシタグリプチン2錠の内服で、朝食前血糖値110~120mg/dL、夕食前血糖値150-160と安定しています。

施設では短時間で3回の経腸栄養剤注入が難しいこと、痰がらみに対して夜間の吸引ができません。

担当の医師からは血糖降下剤を服用しているため2回の経腸栄養剤注入より3回のほうが望ましいとのお話がありました。毎月受診するようにとのことでした。ほかに舌根沈下、口腔内の乾燥が著明でした。

当施設に戻れるように、医療のお立場からのご意見をどうぞ宜しくお願いいたします。

(※既往歴を写真でご送信いただきました)

看護師

ご家族はお医者様から胃ろうしかないと半ば押しきられた感じをお持ちで、今後ご家族のメンタル面には時間をかけたいと思っています。

先ずはお医者様の見解を教えてください。これしか対応策がないとなれば、ご家族へのアプローチも変わってきます。宜しくお願いします。

皮膚科医 青柳

ご質問としては、上記のような状況で入院中の患者さんをなんとか貴施設に戻したいということですね。

皮膚科医 青柳

誤嚥を繰り返す場合には、肺炎を繰り返してしまうために経口摂取が難しくなります。なので、胃瘻を作らざるを得なかったのかもしれません。舌根沈下などあるのであれば、嚥下機能が落ちているのではないでしょうか。

ここは確認できるのであれば病院への確認が望ましいと思います。それによってご家族への説明はだいぶ変わってきます。

皮膚科医 青柳

現在血糖値は安定しているようであり、年齢的にも厳密なコントロールは必要ないのではないかと思います。

低血糖さえ起こさなければ良いと思いますので、ここはいくらでも工夫のしようはあると思います。

ある程度の高血糖を許容すれば、1日2回の注入でも良いと僕は思いますが、内科医の山村先生的にはどうでしょうか?

内科医 山村

経腸栄養については2回注入でも良いと思います。たしかに投与後の血糖値が上がりやすいですが、食後血糖値の上昇よりも定期的な栄養摂取とケアの継続が優先されると考えます。

胃瘻造設済みで、ADLを推察するに、血糖コントロールに関しては十分許容内にあると思われます。ご担当の先生がどうしても2回注入での食後高血糖を懸念されるようでしたら、αGI薬(ミグリトール,ボグリボースなど)の併用を相談されても良いでしょう。

看護師

有難うございます。多職種で共有してカンファレンスにつなげます。

本当にありがとうございました!

皮膚科医 青柳

また、お力になれることがあれば、遠慮なくご質問下さい!

看護師

ありがとうございます。当施設の嘱託医とも相談して、後日、ご家族を呼んで面談を行うことに致しました。

注入量や回数、血糖コントロール、今後起こりうる事、当施設で対応できること、できないこと、お看取りについてもお話しし家族のお気持ちを確かめた上で退院を決めていきます。

退院となりましたら、またご相談させてください。いつもありがとうございます。

以上、元入居者様の退院に際し、栄養、血糖コントロールについてのご相談でした。後日、ご相談いただいた施設へ再入居されたとのことです。ご相談いただきありがとうございました。

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