「話し合い」の認識についてギャップのある可能性も
人生の最終段階における医療・ケアに関する話し合いの実施状況について、介護支援専門員の68.8%が「十分行っている」または「一応行っている」と回答したことが厚生労働省「令和4年度人生の最終段階における医療・ケアに関する意識調査報告書」で分かりました。
「人生の最終段階における医療の決定プロセスに関するガイドライン」は平成18年3月に富山県射水市民病院における人工呼吸器取り外し事件が報道され、「尊厳死」のルール化の議論が活発化。翌年5月にまとめられたもので、人生の最終段階における医療及びケアの在り方として、医療従事者から適切な情報の提供と説明がなされた上で、患者が医療従事者と話し合いを行い、患者本人による決定を基本として終末期医療を進めることが重要で、人生の最終段階における医療の内容は、多専門職種からなる医療・ケアチームにより、医学的妥当性と適切性を基に慎重に判断する、としています。
ただし、同報告書では、「あなたが人生の最終段階で受けたいもしくは受けたくない医療・ケアについて、ご家族等や医療・介護従事者と詳しく話し合っていると思いますか」という質問に、「詳しく話し合っている」「一応話し合っている」と介護支援専門員の58.8%が回答した一方、一般国民は29.9%と、「話し合い」について利用者と医療・介護従事者で認識のギャップがある可能性が浮かび上がる調査結果も報告されています。
厚生労働省「令和4年度人生の最終段階における医療・ケアに関する意識調査報告書」(速報値) より
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