2024年度のトリプル改定に向けて、4月19日に開催された第2回の意見交換会で提示された議題の中から、特養や介護付有料、グループホームなどの高齢者施設の現状と課題、そして報酬改定に向けた論点を解説するシリーズ。ここでは、有料老人ホームや軽費老人ホーム(ケアハウス)、養護老人ホームなどの特定施設における医療提供機能の現状と課題について解説します。
有料老人ホームなどの特定施設における医療提供機能の現状
特定施設については、医師の配置を求めておらず、看護職員のみ配置を求めており、72.9%の施設が夜間看護体制加算を算定するなど、夜間については、一定程度の看護体制が整備されています。
特定施設における給付の範囲については、外来や在宅医療など医師による診療に係る費用については医療保険での給付となる一方で、看護に係る費用 については末期の悪性腫瘍等の患者や急性増悪により、一時的に頻回の訪問看護が必要である利用者等を除き介護保険からの給付となっています。近年の改定において、中重度者や看取りへの対応の充実を図る観点から、 看取り介護加算の見直しを行い、従来の死亡日以前30日前からの算定に加えて、死亡日以前45日前からの対応について新たに評価する区分を設けるほか、看取り期における夜勤等による看護職員の実配置を新たに評価する等の対応を実施しています。
有料老人ホームなどの特定施設における医療提供機能の課題
特定施設においては、医師の配置が求められておらず、入居者に対する医療提供にあたっては、医師が配置されている施設と比較して、協力医療機関や入居者の主治医などの外部との連携がより一層必要となっています。また、特定施設における看取りの推進について、死亡退去率は61.9%で更なる推進が必要とされています。
厚生労働省「令和6年度の同時報酬改定に向けた意見交換会(第2回)」
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シリーズ 令和6年度の同時報酬改定に向けた意見交換会から
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