
アルブミンとは
アルブミンとは、血液中の液体成分である「血清」に最も多く含まれているタンパク質です。血清中に存在するさまざまなタンパク質の総量のうち、約6割(55〜65%)をアルブミンが占めています。
アルブミンは単一のタンパク質として血しょう中に最も豊富に存在し、健康な成人の体内には約250〜300g保持されています。肝臓で日常的に合成され、血液循環を介して全身をめぐり、生命維持においてきわめて重要な役割を果たしています。
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目次
アルブミンの生成メカニズム
アルブミンの製造工場は肝臓です。 私たちが日常の食事から摂取したタンパク質は、消化管でアミノ酸に分解・吸収され、門脈を通って肝臓へと運ばれます。肝細胞はこのアミノ酸を原料として、1日に約10〜12gのアルブミンを絶えず合成しています。
合成されたアルブミンは血管内に分泌され、その約40%は血液中に、残りの約60%は血管の外(組織間液など)に分布しています。血中での半減期(生成されてから半分に減るまでの期間)は約14〜20日(約3週間)とされており、肝臓での合成と体内での分解・排泄が常に一定のバランス(動的平衡)を保つことで、血中濃度が維持されています。
アルブミンの2大機能
アルブミンには、身体の恒常性(ホメオスタシス)を保つための大きく2つの機能があります。
1. 膠質浸透圧(こうしつしんとうあつ)の維持による水分調整
血液中の水分の出入りをコントロールする「スポンジ」のような役割です。 血液と細胞の間では常に水分の行き来がありますが、アルブミンが血管内に存在することで血管内部に水を引っ張る力(膠質浸透圧)が生まれます。血清中の膠質浸透圧の約80%はアルブミンが担っており、この力によって血管から外の組織へ余分な水分が漏れ出すのを防ぎ、全身の血液量や血圧を正常に保持しています。
2. 物質の運搬機能(トランスポーター)
アルブミンは、水に溶けにくいさまざまな物質と柔軟に結びつき、目的地まで運ぶ「トラック」のような働きをします。
- 内因性物質: 脂肪酸、胆汁酸、ビリルビン、各種ホルモン、カルシウムや亜鉛などの金属イオン
- 外因性物質: 医師から処方される多くの医薬品
これらを適切な濃度で安全に全身の組織へ届けるだけでなく、毒性を持つ物質と結合してその毒性を和らげる緩衝(バッファー)としての機能も併せ持っています。
アルブミン値が低下する理由
臨床の血液検査では、総蛋白(TP)やアルブミン(Alb)、さらにグロブリンとの比率であるA/G比を同時に確認することで、肝機能・腎機能・全身の栄養状態を総合的に評価します。一般的に血清アルブミンの基準値は 3.8〜5.3 g/dL 程度です。
■ アルブミン値が低下する原因(低アルブミン血症)
血中アルブミン濃度が低下すると、血管内に水分を引き留められなくなり、漏れ出た水分が手足の「むくみ(浮腫)」や胸水・腹水として蓄積します。
低下の主な要因は以下の通りです。
- 合成低下: 肝硬変や重症肝炎など、製造場所である肝臓の機能障害
- 過剰な喪失: ネフローゼ症候群(腎障害により大量のアルブミンが尿へ漏出)、広範囲の火傷、蛋白漏出性胃腸症
- 摂取不足・分解亢進: 慢性的な栄養不良、高齢者のフレイル(筋力・活力低下)、悪性腫瘍(がん)や慢性炎症、大手術後の著しい代謝増大
■ アルブミン値が上昇する原因
病的に合成が過剰になるケースは稀であり、主に大量の発汗や下痢、水分摂取不足に伴う「脱水症状」によって血液が濃縮された結果、一時的に高値を示すことがほとんどです。
アルブミンは単なる栄養素にとどまらず、「血液量を維持し、体内物質を正しく届けるインフラ」として機能しています。
健康診断などでアルブミン値を把握することは、肝臓や腎臓の病気を早期に発見するだけでなく、日頃の食事バランスやフレイル予防といった健康管理においても欠かせない指標となります。
出典:厚生労働省『アルブミン製剤の適正使用に関するガイドライン』
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