筑波大学 医学医療系の新井哲明教授を代表とするグループは、新型コロナウイルスの流行下において、介護施設で働く職員が非常に強いストレスにさらされている、という調査結果を報告しました。
行動制限などで認知症の障害が悪化し介護者の負担が増大
新型コロナ流行下においては、感染拡大の防止策として、行動制限や認知リハビリテーションが中断された結果、認知症の人の認知機能障害や行動障害が悪化し、その介護者の負担が平時よりも増大しています。
研究グループでは、茨城県の地域型認知症疾患センターに指定されている12病院と、連携のある介護系事業所284施設に勤める介護職員やソーシャルワーカー、看護師などを対象にメンタルヘルスに関するアンケートを実施、667名のから有効回答を得ました。
調査の結果、回答した職員のうち、52.5%が不安を、56.7%がうつ状態を呈していることが分かりました。職種別では介護職とソーシャルワーカーが不安状態になるリスクが高く、また、認知症者の家族介護者の様子に変化があった場合には、職種に関わらず不安状態やうつ状態になるリスクが高いことが分かりました。
研究グループでは、この結果を受けて、認知症介護者への継続的な支援が必要で、施設管理者や産業医などは、必要に応じて早めの休養や医療機関の受診を勧めるべき、と提言しています。
筑波大学 プレスリリース
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