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【詳しく解説】令和6年度 介護報酬改定「介護職員等処遇改善加算」とは(3)加算一本化の背景は

2024年の改定で一本化された介護職員等処遇改善加算ですが、これまでは「介護職員処遇改善加算」「介護職員等特定処遇改善加算」「介護職員等ベースアップ等支援加算」の3つの加算が存在していました。2012年度介護報酬改定では、それまでの「介護職員処遇改善交付金」を受けて「介護職員処遇改善加算」を新設し、同加算を順次拡充しています。また、2019年度改定では、主に勤続年数の長い介護福祉士の処遇改善を目指す目的で「介護職員等特定処遇改善加算」、2021年度改定では基本給などの引き上げを目指す「介護職員等ベースアップ等支援加算」がそれぞれ新設されました。

厚労省資料より

これまでの加算の効果はあったのか?

2023年6月の第37回社会保障審議会介護給付費分科会介護事業経営調査委員会での報告によると、全国の7284施設・事業所から得られた回答では、介護職員等ベースアップ等支援加算を算定している事業所の介護職員基本給(月給・常勤)は、同加算の取得前(2021年12月)と取得後(2022年12月)で比較すると、4.4%アップしていたことが分かっています。また、同調査では2021年11月に閣議決定された「コロナ克服・新時代開拓のための経済対策」により、「介護職員処遇改善加算」や「介護職員等特定処遇改善加算」を下支えする目的で設けられた「介護職員処遇改善支援補助金」を交付された施設・事業所での介護職員(月給・常勤)の基本給は、交付前(令和3年12月)と交付後(令和4年9月)の比較でやはり4.0%アップしていました。このようにしてみると、経済的インセンティブが介護職員の賃上げに一定の効果をもたらすことは確かなようです。

加算が乱立し、算定しない事業者も

ただ、事実上、加算が乱立する状態となっているため、従来から事務作業の煩雑さゆえに逆に算定しないという施設・事業所が少なからず存在しました。また、従来の「介護職員処遇改善加算」は直接介護サービスに従事する職員(看護職員や管理者などは対象外)、「介護職員等特定処遇加算」は前述のように勤続年数の長い介護福祉士など経験・技能のある介護職員が中心、「介護職員等ベースアップ等支援加算」は介護職員も含め事業所の全従事者が対象でした。このようなことから「職種間の賃金バランスが取れなくなる」という理由で算定しないケースもありました。

厚労省資料より

このように1本化をされたとはいえ、経過措置などもあるため、介護職員等処遇改善加算の運用は複雑なものになりそうです。

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