folder_open 介護施設介護経営働き方・処遇改善調査・レポート calendar_month update

介護業界で働くシニア世代 85.8%「今後も介護の仕事を続けたい」

少子高齢化の頂点となる2040年に向けた介護サービス提供モデルや支援体制の構築の検討を行うために厚生労働省でスタートした「2040年に向けたサービス提供体制等のあり方検討会」では、先ごろ最終的な論点整理と検討の方向性がまとめられました。そこでは介護業界慢性的な人手不足の解消のために高齢人材の活用が論点の一つとして提示されています。

そうした中で医療・介護・保育分野を中心とする人材サービスとデジタルソリューションを提供する株式会社トライトは、「60歳からの介護従事者の働き方に関する調査」を実施し、その結果をこのほど公表しました。結論から言うと、60歳以上の介護従事者が高い意欲を持って仕事に取り組んでいることが明らかになりました。

シニア世代の新たなキャリアとして、介護職が選ばれている

調査は2024年11月18~21日にかけて全国の60歳以上の介護従事者(資格保有の有無は問わず、介護現場で働く人)を対象にインターネットを通じて行われました。回答数は267人。回答者が介護の仕事を始めた時期は「20代」が2.2%、「30代」が1.1%、「40代」が4.5%、「50代」が17.2%、「60代」が58.8%、「70代」が16.1%で、60代以降から介護職に従事し始めた人が全体の7割超でした。この点からはシニア世代の新たなキャリアとして、介護職が選ばれていることがうかがえます。 

介護の仕事を続ける理由(単一回答)については、最多は「生計維持」が30.3%、以下順に「生きがい・やりがい」が22.5%、「自由に使える収入を得る」が15.0%、「社会貢献」が11.2%、「健康維持」が10.5%、「人との繋がりをつくる」が10.1%。収入を理由とする人が多い一方で、半数以上が内発的動機で介護に従事していることがわかります。

「働きがい」を感じる時については、トップ3が「感謝されるとき」が36.7%、次いで「達成感を感じられるとき」が17.2%、「社会や人と繋がりが持てたとき」が13.5%でした。仕事を通じた自己成長・自己実現や周囲の人との繋がりなどが高齢の介護従事者の「働きがい」につながっているようです。この結果は、介護の仕事を続ける理由とも重なります。 

プレスリリースより

約8割が今後も介護職として勤務する意欲あり

今後の就労意欲については、今後も働き続けることに「はい」が85.8%、「いいえ」が3.0%、「どちらでもない」が11.2%。何歳まで働きたいかは、「71~75歳」が52.8%、「76~80歳」が21.4%、「81~100歳」が1.3%、「生涯現役」が6.1%でした。8割超が高い就労意欲を持ち、ほぼ同じ割合の回答者が71歳以降も働き続けたいと回答しています。

また、今後も働き続けたいと回答した人のうち、今と同じ職種で働き続けたいかについて、「はい」が77.7%、「いいえ」が4.4%、「どちらでもない」が17.9%で、約8割が今後も介護職として勤務する意欲をもっていることが明らかになりました。

プレスリリースより

シニア世代が人手不足の救世主となる可能性も

調査を行ったトライトでは、この結果について「60歳以上のシニア世代では介護業界で働く意欲が高く、60歳から新しく介護職のキャリアをスタートし、活躍している人も多くいる。60歳以上の人口の多さ、子育てから離れて親の介護が身近になる世代としても、この世代が介護業界の人手不足に大きな役割を果たせる可能性がある」と指摘。その一方で「介護現場に目を向けると『60歳以上でも採用したい』という介護事業所は限定的。介護事業所や業界団体が健康で働く意欲の高いシニア世代の雇用に目を向けること、また、それを国や自治体が支援することなどが極めて大きな人材不足解消のテーマになると思われる」と分析しています。

少子高齢化で今後生産人口と言われる若年層は確実に減少していきます。介護業界でこれまで続いている慢性的な人材不足を考えれば、単に若年層を取り込むための各種施策を続けるだけでは人材不足の解消には繋がらないと考えられます。その意味では今回の結果を参考に60歳以上の雇用も検討するのもベターな戦略の1つと言えそうです。なお、その際は高齢の介護従事者が働き続けられるための、短時間勤務、体力に配慮したシフトの提案なども必要でしょう。

株式会社トライト プレスリリース

\夜間オンコールができる看護師が足りない…/
\受診するべきか相談できればいいのに…/

ドクターメイトの
「夜間オンコール代行™」「日中医療相談」で解決!

導入した施設様のインタビューはこちら>>