日本労働組合総連合会(連合)は、自身もしくは同じ職場の人がカスタマー・ハラスメントを受けたことがある人1,000名を対象に、カスタマー・ハラスメントに対する意識や実態を調べた「カスタマー・ハラスメントに関する調査2022」を実施、12月にその結果を公表しました。
医療・福祉・介護職で「セクハラ行為」が他業種と比べて多く
受けたことのあるカスタマー・ハラスメントについて、医療・福祉・介護職では「暴言」が最も多く61.4%、次いで「説教など、権威的な態度」(52.9%)、「威嚇・脅迫」(38.6%)と続きました。また、「セクハラ行為」が20.0%と、全体(8.9%)と比べて11ポイント以上の差があり、他業種と比べて特に高くなっていました。
約4人に3人「ハラスメントを受けたことで生活上に変化があった」
カスタマー・ハラスメントを受けたことで、生活上に「変化があった」と76.4%が回答。カスタマー・ハラスメントを受けたことで、生活上にどのような変化があったか聞いたところ、「出勤が憂鬱になった」(38.2%)が最も高くなりました。カスタマー・ハラスメントの被害に遭ったことで、出勤が辛いと感じるようになってしまった人が多いようです。次いで高くなったのは、「心身に不調をきたした」(26.7%)、「仕事に集中できなくなった」(24.3%)、「眠れなくなった」(17.6%)、「人と会うのが怖くなった」(16.9%)でした。男女別にみると、女性では「出勤が憂鬱になった」が 45.0%と、男性(33.2%)と比べて10ポイント以上高くなりました。
連合は調査の結果から、以下のように分析しています。
カスタマー・ハラスメントにあった人は、心身の不調をきたしたり、仕事を辞めるなど、生活上様々な変化があることがわかりました。一方で、こういった生活上の変化については、カスタマー・ハラスメントを禁止する社内規則の制定や、対応マニュアルの作成、研修や相談窓口の設置など、企業がカスタマー・ハラスメントへの対策を取っている場合と取っていない場合で、大きな違いがあることもわかりました。加えて、カスタマー・ハラスメント対策を取っている職場では、実際にカスタマー・ハラスメントの被害にあった後の対応について、「対応できる内容とできない内容を明確に説明した」「複数人数で対応した」とする割合が高く、「何もできなかった」とする割合が低くなっており、職場でのカスタマー・ハラスメント対策の重要性が改めて浮き彫りになりました。
日本労働組合総連合会(連合)「カスタマー・ハラスメントに関する調査2022」
【関連トピックス】
やりがいや大変なコトなど、2145人が回答した介護のシゴトのホンネとは?
【関連資料】