公益財団法人介護労働安定センターが7月に公表した、令和5年度の介護労働実態調査の事業所調査結果から、事業所調査の結果について解説するシリーズの9回目。令和5年度介護労働実態調査調査は令和5年10月に行われ、9,077の事業所(うち、入所型の施設系は1,192事業所)からの回答がありました。
事業を運営する上での課題
介護サービス事業を運営する上での課題は、「良質な人材の確保が難しい」が52.4%で最も多く、続いて「今の介護報酬では、人材の確保・定着のために十分な賃金を払えない」の49.7%、「指定介護サービス提供に関する書類作成が煩雑で、時間に追われている」の38.0%、「経営(収支)が苦しく、労働条件や労働環境改善をしたくても出来ない」30.4%、「教育・研修の時間が十分に取れない」の 28.7%の順となりました。
その他としては、職員の高齢化、求人を出しても応募が無い等、人材自体がいない・介護業界が就職対象となっていない、書類の多さ・煩雑さを含めた介護保険制度の複雑さ・本来業務以外の多さ、 諸物価値上げ・介護報酬、利用者等からのハラスメント・業務外のことを求められること、採用コストの増大、年収の壁といった問題が指摘されています。
公益財団法人介護労働安定センター「介護労働実態調査」
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