folder_open 介護施設介護経営調査・レポート calendar_month update

若手看護師の職場に対する満足度、不満は?大事にしている価値観は?

看護師向け転職エージェント比較サイトなどを運営する株式会社SOKKIN(本社:東京都新宿区)が2024年7月下旬に看護師向けインターネット調査「看護師の職場に関するアンケート」の結果を公表しました。同調査はサンプル数が56人と小規模ですが、回答者の8割が20~30代であることが特徴です。回答者の現在の勤務先の最多は「病院」が59%、次いで「クリニック・診療」が18%、その他は「美容クリニック」が12%、「介護施設」が7%です。

働くうえで大事にしたい価値観「仕事とプライベートの両立」

現在の職場に対する満足度は、最多が「まあまあ満足している」の46%。次いで「あまり満足していない」が32%、「とても満足している」が18%、「全く満足していない」が4%でした。ネガティブな見方をすると、全体の3分の1以上が現在の職場に満足していないという結果です。

ちなみに回答した看護師が職場に対して抱える不満(複数回答)のトップ3は「年収」、「残業」、「同僚・上司との関係」の順で、対して満足(複数回答)のトップ3は「休日・休暇の希望考慮」、「同僚・上司との関係」、「患者との関係」の順でした。

職場選びで重要視する点(複数回答)は「給与」が最多で、これを挙げた看護師は7割弱にのぼりました。次いで「勤務時間・体制」「休日数」の回答が半数弱でともに2番手です。一方、働くうえで大事にしたい価値観に関しては、「仕事とプライベートの両立」が8割強で最多。これに次ぐ「社会的・経済的な自立」の回答割合が4割超なので、いわゆるワーク・ライフ・バランスが圧倒的と言えます。

若手看護師採用は「職場環境の整備」がカギ

さてここまでをまとめると、若年看護師の望む職場は、休暇が取りやすいなどプライベートを過度に圧迫せず、年収も一定程度ある職場という極めて分かりやすい希望となります。これを「虫が良すぎる」と考える向きもあるかもしれませんが、看護師に限らず今や若年層では、こうした考えはごく当たり前のものとして定着しています。採用・雇用する側はこの前提で望まねばなりません。

そしてこの調査結果ではこうした若年看護師の欲求をより詳細に見ることが可能です。まず、給与ですが、回答した看護師の現在の年収は「400~500万円未満」が39%を占め、次いで「300~400万円未満」が23%。2024年に厚生労働省が発表した看護師の平均年収が508万円で、回答した看護師の8割以上が平均以下でした。これに対し回答した看護師の希望年収の最多は「500~600万円未満」の39%で、次いで「400~500万円未満」が32%。ざっくり言えば、現実の年収と希望年収との差は約100万円となり、月収レベルで見れば8万円強です。

こと介護業界に関して言えば、必要とする看護師の数は医療機関ほど多くはなく、サービス種別によっては看護師の平均年収が医療機関よりも高いこともあります。つまり経営努力次第で若年看護師の希望する年収水準を満たすことは不可能ではありません。

また、回答看護師の多くが重視したワーク・ライフ・バランスについては、自由記述回答を見ると、「残業があったとしてもちゃんと残業代をカウントしてくれる職場」「連続休暇が取得しやすい職場」など、真っ当な要求が散見されます。

一方で、今回回答した看護師の7割以上が「常勤(日勤のみ)」の働き方を希望しています。この点は夜勤や夜間オンコールがあるサービスではやや不利ですが、夜勤のみ対応のパート看護師などの採用によるワーク・シェアリングや、アウトソーシングの夜間オンコール代行などの利用で不可能ではありません。

ちなみに回答した看護師の6割以上が現在転職を検討していると回答しており転職希望職場として介護施設は診療所・クリニックと同率4位です。介護施設を希望する看護師の希望理由の自由記述では「看護師として働く視野を広げたいため」「現在も老年期の患者様が多い職場なので、自分の経歴を生かせると思うため」「弱ってる人のためになりたい」など極めて真摯な志望理由が目につきます。

つまるところ介護施設が若年看護師を採用できるかどうかは、言い古されていることですが職場環境の整備、それも一般的な労働者がごく当たり前に求める水準の実現次第といえます。

株式会社SOKKIN プレスリリース

【関連トピックス】

【ニュース解説】特養・有料老人ホームにおける「看護職員の安定確保」は”プラチナナース活用”がカギ

特養の夜間看護体制 約7割の施設で看護職員がオンコール&駆けつけ対応

看護師の働き方に関する意識調査

「プラチナナース」は人手不足の介護業界の救世主となるか

【関連資料】

激化する看護師争奪戦

雇用形態の多様化で看護師採用を成功へと導く

看護師の採用費 下げるために知っておくべきこと

\夜間オンコールができる看護師が足りない…/
\受診するべきか相談できればいいのに…/

ドクターメイトの
「夜間オンコール代行™」「日中医療相談」で解決!

導入した施設様のインタビューはこちら>>