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【ニュース解説】財務省が分析した「日本の介護の現在、そして未来」とは

財務省の財政制度等審議会財政制度分科会は4月23日、今年度2回目となる分科会を開催し、「人口減少社会の中での総合的な国力の強化」と題した資料を公開しました。同審議会は、国の予算と財政運営の方向性を議論する場ですが、今回の資料は将来の財政政策の前提となる認識を提示したものです。この中では介護についても言及されています。結論から言えば、介護業界に厳しい目を向けた内容となっています。財務省が日本の介護事業をどのように分析し、どのような未来像を描いているかを解説します。

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さらなる賃上げと生産性向上投資という好循環の実現を

まず、同資料では「産業構造と労働生産性」と題し、産業別で過去30年間(1994~2024年)の実質付加価値額の増加に大きく寄与した産業として、製造業とともに医療・介護などを含む保健衛生・社会事業を挙げています。

一方、この30年間で労働投入量は製造業で減少(1411万人→1010万人)、保健衛生・社会事業は急拡大(350万人→964万人)し、保健衛生・社会事業の伸びは全産業中最大を示しました。現在では保健衛生・社会事業に就業する人は、全就業者の約7人に1人となっています。しかし、労働生産性は、製造業が90%超上昇したのに対し、保健衛生・社会事業では10%超低下したことを指摘しています。

このため財務省は、労働供給制約が一段と強まる中で、今後の保健衛生・社会事業については「より少ない労働投入量で質の高いサービスを提供できる効率的で持続可能な構造への転換」が不可欠であると結論づけています。

そのうえで介護人材の確保と保険料負担の抑制の両立のために、介護報酬による賃上げにとどまらず、現場の生産性向上を通じた収益増加をもとに、さらなる賃上げと生産性向上投資という好循環の実現が重要であると指摘しています。

介護テクノロジーの導入「道半ば」

そのカギを握る1つが介護テクノロジーの導入ですが、資料では施設系サービスでの2025年の導入状況が、もっとも進んでいる介護記録ソフトですら56.4%であることなどを引き合いに「道半ば」との認識を強調しています。このため経営層の意識改革とともに、政府が介護テクノロジー導入や協働化・大規模化による現場の生産性向上の促進、介護施設の人員配置基準の柔軟化を進めるよう提言しています。

資料内では東京都の善光会、富山県のおおさわの福祉会、大分県の大翔会など介護テクノロジーの導入により生産性向上を実現している例も紹介し、こうした取り組みの横展開を推奨しています。

配置基準のさらなる柔軟化、介護事業所の多機能化・広域化を推進

また、資料内では「人口減少地域における介護サービス提供体制の構築」と題し、地域の実情に合わせた体制構築についても方向性を示しています。

この部分では介護サービス利用者のピークが全国的には2040年頃とされている中、全国の2割近い313市町村では利用者数がすでにピークを過ぎていると解説。資料内で示されたデータでは、これら313市町村では2024年時点で月当たりの在宅サービス利用者が17万2000人、施設サービス利用者が6万8000人、2040年はそれぞれ15万2000人、6万2000人へと1割前後減少すると推計しています。

この点について財務省は需要に対する供給過剰を避けつつ「今回の介護保険制度改革で導入される『特定地域サービス』等を活用しながら、配置基準のさらなる柔軟化、介護事業所の多機能化・広域化を推し進める」ことを提言しています。

「特定地域サービス」は、現在国会に提出されている介護保険法改正案に盛り込まれているもの。介護ニーズ減少や介護人材が不足する中山間・人口減少地域を対象に既存の「特例介護サービス」の中の新類型として創設する予定です。

今後国が示すことになる基準と都道府県・市町村の意向に基づき対象となる「特定地域」を定め、同地域での事業所・施設の人員配置基準などの緩和が認められるほか、訪問介護では現行の出来高払いだけでなく包括払いの選択可能にします。

好循環モデルをいかに自施設で取り入れるか、がカギ

財務省が示した視点は、あくまで財政の持続可能性という観点であるため、介護業界に対して非常にドライかつ合理的な変革を求めています。もっとも生産性向上などは、従来から厚生労働省の社会保障審議会介護給付費分科会などが示している方向性とも一致しています。その意味では財務省が示す「好循環」のモデルを、いかに自施設に取り入れられるかなど、今こそ経営戦略を見直す時期に来ているといえるでしょう。

財務省 財政制度分科会(令和8年4月23日開催)資料「人口減少社会の中での総合的な国力の強化(財政各論Ⅰ)」

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